竹村義宏のフランチャイズBlog

フランチャイズ業界30年これまで50を超えるFCに携わった竹村のブログ。2015年5月FC2から引っ越し。

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そのFCには大量仕入れのスケールメリットがあるか? これは大事!

竹村義宏のフランチャイズBlog

こんにちは。竹村です。

 

昨日の日経朝刊で取り上げたい記事がありましたので紹介です。

コメや大豆など価格上昇~外食・食品の業績直撃 

 

世界的な異常気象、干ばつ、洪水などで、世界の「穀物価格」の上昇がニュースになっていますが、それは当然ながらこのような形で響いてきます。 この記事を重く見るのは、 デフレ下での低価格競争を繰り返し、「価格」を下げきっている中での「原価」の上昇は持ちこたえられない企業も出てくるのでは? という不安からです。 ギリギリの価格競争をしている中で、仕入れ原価が上がるのですから、厳しいです。 とくに薄利多売で薄く広く儲ける仕組みを作っているチェーン店には大問題です。 やはり記事で取り上げられている「牛丼業界」がわかりやすいでしょうね。 一応の「勝ち組」である、ゼンショーすら「米」の値上がりで10億円のコスト増、その一撃で連結業績57%減、です。 そして、もうひとつポイントがあります。 記事で、 「価格転嫁できるか?が課題」としている部分ですね。

 

>コンビニエンスストア向けの総菜や弁当を製造するわらべや日洋は、3~5月期の営業利益が13億円と前年同期比6%減った。主力製品はコメ使用量の多いおにぎりや弁当で、価格上昇が3億5000万円の減益要因となった。通期では7億円と、期初予想に比べ2億円程度悪化しそうだ。

 

 「わらべや日洋」は製造会社であり、卸業者です。 各コンビニは、コンビニで弁当、惣菜の低位価格競争をしていますから、簡単に「値上げ」は出来ないでしょう。 となると、泣くのは卸業者、ということになります。

 

さて、この「原価の問題」をフランチャイズ加盟の視点から見ておきましょう。 とくに重要なのは、 本部はどこまで「原価」を下げる力があるか? というのは大きなチェックポイントです。 原価はそのまま加盟店の「利益」に直結するわけですから。

 

「スケールメリット」という言葉があります。 通常はフランチャイズ本部はこの「スケールメリット」を最大限に活かして、「低い原価」を実現するわけです。 先日このブログで取り上げた、「コメダ珈琲店」も、 カンブリア宮殿に出演した安田社長が、 「モーニングの珈琲にゆで卵とトーストつけて赤字にならないですか?」 という村上龍さんの質問に対し、 「充分黒字です。本部で業者に交渉して大量に仕入れることを条件に卸価格を最大限に下げています。」 と言い切っています。

 

これが本部の仕事ですね。

コメダ珈琲店の99%はFC~カンブリア宮殿より 「コメダ珈琲店」の反響は大きいいですね。

 

本部が、 「大量仕入れ」を条件に 業者と「交渉」し 卸価格を最大限下げさせる わけです。 卵や、トースト用の食パンがスーパーで買う価格よりずっと安く入手できる、のが「儲かる」大きなポイントなのです。 この 「スケールメリットを利用して原価を下げる」 というのは、個々の加盟店の力ではできず、「本部」に頼ることになります。 ですから、フランチャイズ本部選びをする上で、本部のこの「力」は是非とも確認していくべきです。 厳しい環境下の中で、いかに加盟店の利益確保のために「原価」を下げる努力を行うか? という視点で本部をチェックすべきですね。

 

今回はこんなところで。