竹村義宏のフランチャイズBlog

フランチャイズ業界30年これまで50を超えるFCに携わった竹村のブログ。2015年5月FC2から引っ越し。

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マクドナルドの「V字回復」は店舗のフランチャイズ化進行によるもの

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こんにちは。竹村です。 SoftBankがイーモバイルを買収ですね。

ソフトバンク イー・アクセスを買収 来年2月、完全子会社化

 

買収額が高すぎる、とか色々言われておりますが、これは孫さんの買収にはいつも言われること。 SoftBankは本業が「買収業」みたいな会社ですから、プロの値付けでしょう。 これで、ドコモ・auを一気に飲み込もう、ということですね。 迷走中のドコモは今後もシェアを下げ続けるでしょう。 先週発表になった、この方向性も全く理解できません。

印刷企業のRSS ドコモ、ソーシャルゲームへ参入

 

急成長したDeNAやグリーが「社会問題」として出る杭叩きされた市場に、何故今更参入するのか? 「ゲーム」という世界は「大企業」がカネにモノを言わせて勝負しても、成果にはつながらない業界であることは、あの「任天堂」が証明しています。財務体質が良くなれば良くなるほど面白いコンテンツがでなくなってるわけですから。 恐らく、ドコモの力がいちばん生きない業界です。 「6000万人の顧客を基盤に」とありますが、それが雪崩をうってsuとSoftBankに流れているのがわかってませんね。

 

さてさて、昨日のアントレの原田泳幸社長のインタビューについての記事ですが、少々「雑」でした。 もっと参考になるところがありますので、もう少し詳しく。 原田社長がマクドナルドのFC経営者に求めるものは、

1.マクドナルドが好きであること

2.   成長意欲があること

3.ラーニングスキルがあること

である、と書きましたが、これには「前段」があります。

 

原田社長がFC経営者に本当に求めているものは、

 

1.経営者感覚

2.財務体力と投資感覚

3.店舗のオペレーション力

 

なのです。

 

自ら「戦略」を実行していくオーナーシップ(1)、そして、利益を上げたら適切に次の収益が上がる分野に投資を行い(2)、そして人に指示するだけでなく自ら現場でオペレーションできる(3)こと。 ここまでのレベルを求めているわけです。 ただ、 「最初からこの3つのポイントを満たしている人はいない」 ので、

 

まずは既述の、 1.マクドナルドが好きであること 2. 成長意欲があること 3.ラーニングスキルがあること がある人を求め、 1店舗を経営するところから、「成長」してもらう、という理屈です。 FCオーナーとして日々成長しながら、「将来は10店舗のオーナーになってもらう」、 という流れなのです。

 

だから、 「成長意欲」と「学ぶ姿勢とスキル」を持っている人物を求める、 わけです。 FCを経営しながら「企業経営・マネジメント」の真髄を学んでいく、ということですね。 そんな事例を示す良いインタビューがあります。

脱サラから12年。現在、6業態、15店舗の加盟店展開中のエバーグリーン伊藤会長

 

12年前に「脱サラ」で牛角に加盟され、現在15店舗を経営されるマルチフランチャイジーです。 当時、「脱サラ」で牛角を始める方は少なかったですが、その1店舗からの成功です。 インタビューをお読みいただければわかりますが、まさに、 FCを経営しながら企業経営を学んで拡大してきた という感じです。

 

「FCに加盟するなら“伸び盛り”のFCを選べ!」

 

 という考えも素晴らしいです。

 

さて、話をマクドナルドの原田社長に戻して。 竹村が最後に強調したいのは、 マクドナルドの「V字回復」は、「店舗のフランチャイズ化」があって成し得たものだ ということです。 原田社長が就任した2004年、業績低迷していたマクドナルドは、 直営店をどんどんFC店に変えていく という戦略を取りながら「売上・利益」とも上げていったわけです。 新しい戦略の元、「大胆な改革」をしていくわけですから、 トップダウンの効く「直営店」の方がマネジメントしやすいのでは? と考える方も多いと思います。

 

それは違うわけです。 それは「20年前」の話です。 やはり「サラリーマン」の集団である直営組織より、「オーナー感覚」で店を切り盛りするFC店の方が、原田社長の掲げる「新しいやり方」に対応して成果を上げていったわけです。 ここの本質を理解することが重要ですね。 「原田改革」が進む中、マクドナルドに出入りする業者の方から、 「直営よりFCの方が店舗のレベルもモチベーションも高い」 という声がきかれるようになりました。 最初は「逆じゃないの」と疑う人もいましたが、今やいないですね。

 

本日はこんなところで。