フランチャイズショー黒川孝雄先生講演~FC業種別見通し 他
竹村義宏のフランチャイズBlog
おはようございます。
キューバ戦、結果もともかくキヌガサ氏の解説にはどうも納得いかない、竹村です。
フランチャイズショーの1日目オープニングセミナーから、
FCコンサルタントの重鎮、黒川孝雄先生の講演を。
タイトルは、
「今後のフランチャイズ業界の予測と加盟店開発動向」
です。
ただし、冒頭に、
「今後といっても5年、10年なんて話はできないので、2013年の予測、ということで話します。」
とことわりが。それはそうですね。
黒川先生の真骨頂は、緻密なアンケート分析。
JFAのアンケート調査からのいくつかの分析がなされ、そして予測。
業種別の動向の見通し、黒川先生の分析は、
1)コンビニ・・・店舗数、全体売上は増えるが、既存店売上は厳しい。
12年6月以降、セブンイレブン以外のコンビニ各社の「既存店」売上はマイナスに転化している
というデータをあげ、
「加盟者にとっては既存店売上が全て」なので、既存店売上の減少は、「コンビニの衰退」と。
⇒業界全体は晴れでも加盟店はやや曇も。
2)外食・・・この5年で売上7%以上の低下は歯止めがかかるか。アメリカ牛の輸入規制緩和は明るい話題。
⇒雨から曇り?
3)サービス業・・・2013年度の見通しは明るい。世の中にはまだまだ「新サービス」が求められている。
⇒晴れ
そして、加盟店開発動向、については、かなり詳細に分析がされていましたが、
結論は、
1)既存加盟店の複数出店
と
2)低額投資(1000万円以下)パッケージ
で増えていく、ということです。
まず、1)これはアンケート結果でも如実に出ており、
多くの本部が「新規」より「既存オーナーの増店」に期待しており、
そのための「優遇施策」を儲ける方向。
例えば、
加盟金減額あるいは免除 40.6%
優良物件の優先的紹介 18.8%
ロイヤルティの減免 12.5%
有料直営店の売却 12.5%
・・・
等です。
事例としては、サーティーワンや物語コーポレーションを紹介。
この背景には
「新規の加盟募集が難しくなっている」
ことを指摘。
そして、「新規」を考えると、2)「低投資型」のパッケージにせざるを得ない、ということです。
ただ、1000万以内の初期投資、となると、業態によっては無理。
黒川先生の資料に、2012年のフランチャイズショー出展社の初期投資1000万円以下の「比率」が紹介されており、
小売業 83.2% ←コンビニ含む
飲食業 39.0%
サービス業 72.1%
ということで、FC業界としては、「サービス業」が盛り上がり、一部投資の大きな外食FCについては、新規ではなく既存オーナーで増やしていく、という流れになるわけです。
この傾向は続くでしょうね。
アベノミクスが奏功し、多くの企業が儲かり、「新規事業」に投資していく、という流れができなければ、「個人起業」では1000万円がいっぱい、でしょう。
そんな黒川先生の結論には異論ありません。
唯一、「異」を唱えたいのは、「スーパーバイザー」についてでしょうか。
JFAで「スーパーバイザー学校」を主催する黒川先生の立場からは当たり前ですが、
「SVの重要性」を強調されていました。
FC業界に激震を走らせた「FF社(FC本部)の敗訴」を事例あげ、ここから流れが変わったと。
実際に、JFAのスーパーバイザー講座の受講者は、
一昨年50名から昨年68名に増加した、とのこと。
これについては、竹村としては「違う見解」をもっています。
そこを「新フランチャイズ」と言っているわけですが。
これからのFCは、
「SV組織を極力小さくしてSV以上の加盟店フォローを行う」
べきです。
(一部チェックマン的SVが必要なFCは除きます)
この詳しい話はメルマガなどで。
「旧」に対して「新」と言っているわけですから、意見が一致しないのは仕方ありません。
あと、最後にひとつだけ。
黒川先生が「学習塾FCの隆盛」について、
少子化にはなったが少ない分子どものお金をかけるようになり、
「通塾率6割」
という数字はそれを示している、ともコメントされていました。
これは・・・半分は当たってると思いますが、もう半分重要な理由がありますね。
以前書いたこちらのブログに詳しく書いてます。
アベノミクスとは無関係に好調な「学習塾上場企業」の理由とは!?
「今から塾やるの?子どもがどんどん減るのに」
という意見はこの20年ずっとあるわけですが、
竹村の中では、
「今こそ塾!これからこそ塾!」
なのです。
本日はこんなところで。
フランチャイズショー2日目、に行きます。
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