竹村義宏のフランチャイズBlog

フランチャイズ業界30年これまで50を超えるFCに携わった竹村のブログ。2015年5月FC2から引っ越し。

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賃金は上がらなくても景気はいいんだ、という話

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おはようございます。 Amazonの「プライムエア」は驚き、竹村です。 ドミノピサも同じようなものを開発研究してるらしいですが、こんなんでピザが運ばれてきたらこれは楽しい。もう「便利さ」にカネを払うというのは結構いくところまでいってるのか、とも思いますね。 「便利さの次」です。 さて、12月に入り今年の振り返りの時期。 新聞各紙では「アベノミクス」についての総括がなされてますね。もちろん「短期的成果」ということですが。 「流れが変わった」ことは間違いないことで、それがどれだけ大きな流れか?いつまで続くか?そこは意見の分かれるところです。 確かにムードは良くなったが「実体」は変化なし、という意見も多く、その際はやはり「賃金が上がっていない」という点について、指摘している記事が多いですね。 例えば今日の日経のこの記事。 実感なき回復、賃上げ遠く 少し引用すれば、

 実体経済の本格的な回復が続けば、それに伴ってやがては賃金も上昇する。これが、自然な景気回復の姿である。だが、大胆な金融政策の下で水膨れ的に拡大する経済では、真の成長が見通しにくい。

これは大いに疑問ですね。 実体経済が回復すればそれに伴って「全体の」賃金は上昇する というのは一時代前の考え方でしょう。 そもそも、日本最長の景気拡大である、少なくとも指数上はそういう事になってる、 2002年1月~2008年2月の73か月の景気拡大 この期間で「全体的に賃金が上がっている」なんて実感を多くの人が持ったでしょうか。 ホリエモンが出ていた時、「起業して成功れば短期間に大金持ちになれる」という風は吹いたと思いますが、勤め人の賃金とは全く関係のない話、と多くの人が思っていたでしょう。むしろあの時叫ばれていたのは「格差拡大」のほうです。 73か月=6年も景気が拡大しても「賃金が上がった」なんて実感は無かったのです。 なので、仕事を真面目にやっていれば、景気さえよくなれば給料が上がっていく、というのはもはや幻想とかんがえるべきです。人間が真面目にやっている仕事が機械やITが変わっていくのは時代の流れであり、超成熟大国日本で生活する以上、その流れは止められない気がします。 今の宅配ドライバーの仕事を、個別無人宅配機「プライムエア」が奪っていくわけですから。 こう書くとじゃあ、全ての仕事が無くなるじゃないか?みんな生活保護受けろってことか!と極端な事を言い出す人がいますが、そんなことはありません。 「宅配」という市場は今後急激に伸びると「超成長分野」だから莫大な開発費をかけて、プライム・エアが開発されるわけで、そうではない仕事は沢山あり、絶対残ります。 もちろん「沢山稼げる仕事」ではありませんが、そんなにハードではなく、まぁ食ってくくらいは稼げるという仕事はあるはずです。 「賃金がどんどん上がる」なんてことはなくても、高望みしなければそこそこ仕事をして楽しく暮らしていける。 高望みする人は能力を磨いて、付加価値の高い仕事をして沢山稼いでいく、そうなっていくはずです。 賃金の上昇とは関係なく景気は良くなっている という部分をもっともっと取り上げて、「ムード」を作っていくべきだと思いますね。 景気は「気」=気配であり、気持ちなので。 例えば今日の日経本紙朝刊ならこの記事。 アベノミクスより前の2012年から消費マインドは転換している という分析。 マインドが変わったところにアベノミクス効果もあらわれている、という話です。 ファミレスの中でも単価の高い部類のロイヤルホストでの話ですから、説得力があると思います。

「消費マインドの変化は価格動向を見るとはっきり分かります。単価が上がると客数が落ち、単価が下がると客数は増えるのがこれまでのパターンです。しかし今は単価も上昇し、客数も増えるという好循環です。当社が運営するリッチモンドホテルもやはり稼働率が86%にまで上昇し、客室単価も上がっています」

「牛丼がいくら値下げ競争しても客数が伸びない」なんて記事ばかりではなく、こういう部分にスポットを当てて欲しい、と思います。 本日はこんなところで。 「人気ブログランキングに参加中! ワンクリックが励みになります。
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