竹村義宏のフランチャイズBlog

フランチャイズ業界30年これまで50を超えるFCに携わった竹村のブログ。2015年5月FC2から引っ越し。

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マクドナルドの撤退店舗がモスに変わる!という記事で考える

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こんにちは。 ジャンプ団体「銅」はまさにレジェンド効果!、竹村です。 自分の「銀」には涙はなかった葛西選手が、団体では人目をはばからず涙。なかなか感動的でした。 さて、この Business Journal の記事が結構話題のようです。 モスバーガー、なぜ好調?マックとの明暗を分けた、商品力とFC店舗力の秘密 「モスが好調!」というとマクドナルド離れでお客が流れているのだろう、という分析がありますが、モスのオーナーに聞いてみるとあまりそういう事はない。 昔から、マクドナルドが強かろうと弱かろうと、景気が良かろうと悪かろうと、いつでも「そこそこ強い」のがモス、です。 記事には「ここ数年間低迷」から「業績回復」とありますが、数字を見れば「そこそこ強かった」のが、昨年からもっと上がった、という印象。 記事の最後に「新規出店目標」の数字が出ていて、「前年比57店舗増」とありますから、本部としてかなりの「強気」が読み取れます。 モスバーガーは「固定ファン」がいる、ので強い、と改めてこの記事の数字を見て思いますね。 上の記事はその「強さ」の分析記事として読めば勉強になる記事だと思います。 ただ少々「礼賛しすぎ」な気はしますが(笑)書いてる記者が「モス信者だ」という感じが伝わってくる感じです。 「FCとしての強さ」も書かれています。

 モスバーガーの国内店舗数は約1400店。その8割弱がフランチャイズ(FC)店である。このFCが商品力と並んでモスバーガーのもうひとつの強さなのだ。どのFC本部も「本部とFCは共存共栄」という謳い文句を強調するが、この文句を真に受けるFC加盟候補者は少ない。

記事では「本部と加盟店の信頼関係の強さ」を築くひとつのポイントに、「加盟店オーナーのの質の高さ」を挙げており、それをなしえる理由に、 「加盟時に設けられたハードルの高さ」 を挙げています。 要は、加盟希望者を「審査」して入れており、本部から「承認」されないとモスのオーナーにはなれないわけです。

(1)第一次面接 (2)レポート提出 (3)第二次面接 (4)モスバーガーのFCオーナー訪問 (5)レポート提出 (6)第三次面接 (7)社長による最終面接

レポート退出、は結構知られていましたが、この記事によれば、

すべてのステップを終えるまで短くて半年、なかには60本のレポートを提出して加盟が決まるまで2年もかかった例もある

ということで、これは少しビックリです。 確かに「ここまでやれば」という気はします。 ただ、記事にはないので捕捉しますが、モスバーガーにおける「本部と加盟店の信頼関係」には、この「入り口」でオーナーを選別している事と合わせて、加盟後も「加盟店会」的組織を持たせ、加盟店同士の横つながりを積極的に持たせていることも大きいです。 「加盟店同士を仲良くさせる」というのは本部が加盟店側を信頼しなければ出来ないことですが、それをさせることでフランチャイズチェーンとして全体の力が増しました。 このモスの「加盟店会」については昔は、「そんな事したら労働組合のようになって本部に物申すに決まってる」という否定的な意見の方が断然多かったのですが、そうはなりませんでした。 ここは「FCの歴史」を学ぶ上で重要なところです。 加盟店を「分割して統治す」とやったFCよりも「横のつながり」を持たせた本部が伸びた、のです。 さて、記事の最後に、

マクドナルドの閉鎖店舗にモスバーガーが開店すれば、消費者にとっては、マクドナルドがモスバーガーに生まれ変わるようなものだ。両者の明暗を象徴する“入れ替わり”が秘かに始まっている。

とまで書かれてしまった、マクドナルド。 マクドナルドの分析については、大西さんに任せておけば常に的確、 マクドナルドは危機を脱したか>大西宏のマーケティング・エッセンス なわけですが、今回アルファブロガーとして著名なイケダハヤト氏が自らの体験からこんな分析をして話題に。 マクドナルド失墜の原因は行き過ぎた「効率主義」にある>イケハヤ書店 イケダさんがマクドナルド店内でノートパソコンを開いたら、「ご遠慮ください」というような対応をされた、ということからの記事ですが、今はそんな感じなんでしょうか。 竹村的にはマクドナルドを使うことはまずないですし(子どもハッピーセットはたまに買います)、今やノートパソコンは持ち歩いていませんから、よくわかりません。 ただ、以前は確かにいました。 100円のコーヒー1杯で、レッツノート開いてずっと仕事している方が。 そんなお客があちこちにいたら店としては当然儲かりません。 そこについてイケダ氏は、

マクドナルド広尾店はぼくを追い出すことで「その日」の利益は改善されましたが、長期的に見たら、明らかに不利益になっているのです

と語り、 マクドナルドの底の見えない低迷は、短期の利益目的の「効率化」を追い求めたためである、結論付けています。 一理はありますね。 竹村的には一部店舗で盛んにPRされている、これもどうか???と思います。 マック・デリバリー 都内では結構真っ赤なバイクを見かけるようになりました。 ただ、「宅配」ですから作って届けるまでにそれなりの時間を要します。この広告通り「できたて」が食べられるわけはないでしょう。その昔は「ポテトを10分で廃棄する」というような点をPRしていたマクドナルドですから、その点がどうなのか、と素人考えで思いますね。 本日はこんなところで。