ユニクロ1.6万人正社員化のインパクト
竹村義宏のフランチャイズBlog
こんにちは。
朝夕もかなり暖かくなってここからは春一直線、ですかね、竹村です。
先週末のこのニュースは話題。
http://toyokeizai.net/articles/-/33330<東洋経済オンライン
まだ正式なIRとかではないようですが、柳井さんが日経ビジネスの今号でここまで↓↓↓喋り、広報担当者も電話取材で答えているということですから、「やる」んですね。
柳井さんというのは本当に「機を見るに敏」な方で、常に世の中の流れを読んでタイミングを測ってインパクトのある、いわゆる「大風呂敷」を広げます。
現在もまさにこんなニュースがアチコチのチェーンで起きそうなわけで…
24h営業のすき家が「人手不足」で一時的に閉店!?
経営の三要素は「ヒト・モノ・カネ」そして近頃は「戦略(情報)」合わせて四要素、なんて言われていますが、他の3つが揃っても「ヒト」がダメならチェーン店は機能しないわけです。
上の「すき家」の例を見ればわかりますが、「カネ」があっても「ヒト」が集まらない、という結構深刻な事態です。
そこで、「モノ・カネ・戦略(情報)」揃ったユニクロが、打ち出したこの「ヒト」についての大転換、ですね。
今回のポイントは、
フルタイム働ける非正規社員を正社員化するのではなく、「子育てや介護など様々な個別な事情でフルタイム働くことができない人まで正社員とする」
というところです。
だから、「3万人のうち1万6000人」も正社員化できるわけです。
短時間しか働かない正社員と時給でフルタイム働くアルバイトが混在する、なんてことも起きるわけです。
これはかなり発想の大転換で、経営者としてはかなりギャンブラー的血の流れる(ハイリスク・ハイリターンをとっていく)柳井さんだからできる発想である気がします。
今回の日経ビジネスの柳井さんのインタビューから、もっとも大事なことは、
「正社員がパート・アルバイトを上手に使ってコスト(人件費)管理をし、店の収益を上げていく」という形での「チェーン店」というビジネスモデルは、もうお終いだ
ということです。
「現場スタッフを経営者に」
「スタッフ一人ひとりを主役に」
なんてフレーズは「フランチャイズ戦略」で良く使われるものですが、考えてみれば、そのへんは柳井さんがかなり昔から言ってたところでもあります。
同じところを目指してもやり方によっては「ブラック」と言われたり、今度は逆に「人事制度の発想の大転換」と称される。
ただ、「人に厳しい」という柳井さんは絶対に変わってないはずです。あくまで変わったのは「制度」です。
この制度からユニクロはどう変わるのか、また、このユニクロ花火によって、他の店舗型サービス業の人材戦略がどう変わるか?注目したいと思います。
本日はこんなところで。