竹村義宏のフランチャイズBlog

フランチャイズ業界30年これまで50を超えるFCに携わった竹村のブログ。2015年5月FC2から引っ越し。

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「年収500万円保証起業」はあまりの愚策!

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こんにちは。 本日二度目のUPですが、先週から聞かれることの多いこのニュースについて記事をUPしておきたいと思います。 補助金で年収500万円保証 政府、起業促す >日経電子版 経済産業省から、 起業家の収入と活動費用を保証する取り組み として今回発表されたもので、

新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO)が年10~15組の起業家を公募し、1人あたり500万円の年収と1組あたり年1500万円の活動費を支給する。5月から起業家を募り、7月から資金を支給する。最大で2年間、起業家の生活を保証する。開業率を飛躍的に向上させたフランスのサルコジ前政権を参考にした施策だが、企業家精神と安定した生活の保証の両立が課題になるとみられる。

という、まだ限定的なものです。 が、アベノミクスの三本目の矢「成長戦略」で目標として掲げる「開業率>廃業率」を達成していくための制度なので、この方向の支援策が「補助金」のような形で出てくる、という期待が膨らんでいるようです。 竹村のところにもこの記事の見出しを読んで「チャンスですよね?」的問い合わせメールがきています。 この見出しを読んで、「国からお金がもらえるのでチャンス!」「リスクを大幅に減らして起業できる!」「安定が保証される!」なんていう具合に頭が働くようでは、そもそも成功できる「起業脳」ではありません。 ビジネス、商売というのは、 「リスクをとってリターンを得る」 という関係意外は存在しない、わけです。 一見「ノンリスクに極めて近いローリスク」というのは、その裏に、影に、すぐ横に大きなリスクがある、と理屈じゃなくて感覚で感じるのが普通です。 たまに竹村のところにも「専門家なんだからリスクゼロのFCを教えて下さい!」みたいな相談がきます。「ありません」と答えると「それでは一番リスクが低いFCを教えて下さい」ときます。 「あなたのその考え自体が最大のリスクです」と言いたいところですが、やんわりと「リスクがないのはバイトですよ」とコメントしています。 「リスク無しで安定の保証をもって起業したい」というのは、自動販売機の前でいかにお金を入れないで缶コーヒーを出すか、と考えるくらいおかしな発想なわけです。 記事にも、 企業家精神と安定した生活の保証の両立が課題 とありますが、書いてる記者も笑いながら書いていることでしょう。 「企業家精神」と「安定した生活の保証」は、氷とぬるま湯のような関係なのです。 ぬるま湯の中でどうやって氷を溶かさないか?なんて考えるだけ無駄ですね。 本日はこんなところで。