竹村義宏のフランチャイズBlog

フランチャイズ業界30年これまで50を超えるFCに携わった竹村のブログ。2015年5月FC2から引っ越し。

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「ブラックFC」について Part2

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こんにちは。

 

メッシ選手というのは人間なんでしょうか?(笑)、竹村です。

 

日本敗退後のW杯も毎日のダイジェストを見てますが、どのチームもすごい技術ですね。パスも違えばシュートも違う。メッシ選手の神業には恐れ入りますね。何であんなことができるのか。

 

さて、昨日「ブラックFC」について書きましたが、もう少し書くべきことがありますのでPart2、です。 「どこがブラックFCか?」ということに興味がいきがちですが、より重要なのは、 「なぜブラックFCが存在するのか?生まれるのか?」 です。 (本当は「ブラック企業」についても同じことが重要ですが。)

 

まず、最悪なのは「最初から加盟店を募集して加盟金を集めること」しか考えていない、というFC本部です。業界では「オープン屋」と呼ばれたりする、「加盟金詐欺」に近いケースです。 こういう悪徳FCもあるにはありますね。 ただ、ここまで「悪」なところは全体の5%もない、3%程度だと思います。

 

では残りの97%は? 次に「悪質」なケースは、「儲かりそう」な新らしい商売のネタ、を持っているが、自分たちでは展開する資金がないのでFCとして加盟金を集めるケース、です。 これは本部自身も「儲かるだろう」とは思って始めるので詐欺ではないのですが、実績はゼロ、です。ただ実績ゼロではFCが集まらないので「見せかけの実績」を用意したりして「ブラック」に近づきます。 そして「新しい商売」というのは失敗する確率が多いわけですから、最初に集まったFCも上手くいかず挫折し、FC本部として「立ち上がらない」パターンです。 このパターンは本部として「短命」ですから、沢山見かける事はないように思いますが、毎年いくつもこういう本部が生まれFC募集しているので注意、です。

 

で、「ブラックFC」として一番多いパターンは、実は、 最初はブラックではないのに今はブラック というところなのです。ブラックFCの70%はこのパターンでしょう。 これはFC本部としての「経営計画が狂った」ことでそうなります。要は、経営が厳しく「加盟金を集めてこの場をのりきるしかない」という状況におかれている企業です。 FCを始めて加盟店もそこそこ集まり、本部社員を増やした。ところが始めた加盟店の業績は良くなく、ロイヤルティ収入が計画通り入らない。赤字店舗の業績改善のためにSVを人員強化…、さらに加盟店実績が悪いので、新規FCのクロージング率が下がり、加盟金収入も計画通りに進まない…というのが典型的なこのケースです。

 

このような場合、本部が企業として生き延びるには「必死に加盟を集める」しかありません。 営業会議では社長から「あと2ヶ月で◯件決まらなければFC全てに迷惑がかかる。後先の事を考えている場合ではない」なんて言葉が出ている状態です。 当然ながら「営業担当者」は、オーバートークをしてでも契約クロージングしようとします。「後先の事を考えている場合ではない」のですから。

 

このようなFC本部は「加盟募集広告」をアチコチに出し、「FCフェア」に積極出展します。「加盟獲得が全て」なのですから当たり前です。 よく、倒産したFC本部に対して「あれだけ広告を出していたのでそこそこ儲かっているのだと思っていた」というような事を言う方がいますが、理屈で考えて全く「逆」なわけです。

 

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ここも最後までこんな広告を出し続けながら破綻しました。

 

 

「ブラックFC」について、かなり長くなりましたが、ひとまずこんなところで。