代ゼミは不動産業!?という事実に経営の「したたかさ」を考える
こんにちは。
「俺の丼プリン」「俺の豚玉」の衝撃 ファミマの大きめシリーズは、女性にも人気←この記事は面白いですね、竹村です。
「俺の丼プリン」を店頭で初めて見た時は驚きましたね。これを買って一人で食べる「女子」もいるという噂も聞いてました・・・この「俺の~」シリーズは記事にあるとおり、もともと「男のスイーツ」という発想から出てきたものですが、常識の「裏」をつく、ターゲットを限定して目立つ、の成功例ですね。 「俺の~」といえば、その後飲食で「俺のフレンチ」「俺のイタリアン」がブームになりますが、この「俺の~」はちょっと違う意味ですが面白い。「すべてはお客様のために・・・」的に向かうのが常識の飲食業で、あえて「あなたのため」じゃなくて「俺がいいと思う」店だよ、という打ち出し方が気に入りました。・・・が、ちょっとテレビ・マスコミに取り上げられすぎて下火感があるようですが・・・
さて、先週末のニュースで、このブログで取り上げ、ブログでも書き足した「代ゼミの校舎大量閉鎖」ですが、これは少しビックリ。
【驚愕】代ゼミの恐るべき先見性。予備校から不動産会社に華麗な転身か。既に実績多数。
元代ゼミ本部が代々木ヴィレッジになってることは知ってましたが、既にこんなに進展しているとは!!! 映像予備校「代ゼミサテライン予備校」は「東進衛星予備校」に完敗している形で、「代ゼミの経営は厳しい」と書きましたが、それはあくまで「受験産業」としての代ゼミの話ですね。これをみる限り完全に「不動産業」に転換をはかっているわけです。 「したたかだ」とか「経営陣の先見性」を称えるコメントが多いですが、そういうことでもないでしょう。
ブログにも書きましたが、「30年前」から今後浪人生が減っていく、ことは誰がみてもわかっている話で、それについて「減ったらこうすればいい」と 考えるのは普通にすることです。 「学校法人」という立場を上手く利用してまずは主要都市の駅前に立派なビルを予備校として建ててしまい、あとはテナント業で儲ければイイと当時から考えていた、という書き方をすればかなり「したたか」ではありますが。
今はに二代目の経営ですが、創業者の高宮さん(2009年没)はただの「教育者」ではありません。
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一度栄華を築いたビジネスを永続的に成功させていく、というのは本当に難しいことです。 そんなことを考えながら今日の日経本紙朝刊から二記事。
日本企業は新たな挑戦を 米コロンビア大教授 リタ・マグレイス氏
経営戦略に関する最も一般的で、最も危険な考え方は「企業の究極の目標は、長きにわたって持続する競争優位を確立することである」というものだ。
という逆説的言い方で始まるこの記事ですが、米コダック社の破綻の分析は様々されてますが、本質はここに書かれている分析のとおりですね。「競争優位」というのは「一時的競争優位」に過ぎない、というこです。ライフサイクルを考えろ、と。
そして、そこまで大きな話ではないですが、JINSの田中社長のインタビュー。こちらも興味深い。
眼鏡市場でヒット連発 安住せず革新性追求 ジェイアイエヌ社長 田中仁氏
5千円のファッション眼鏡で大ヒットし、06年に上場したら、途端に暗雲。
類似商品を売る企業が増え、競争激化で業績が急速に悪化したのだ。08年には最終赤字に転落し、株価は一時50円を割り込み、証券会社などから企業売却の提案も受けた。ヒットへの慢心と上場で生まれた守りの姿勢が背景にあった。
そこから、
「中途半端に売れ筋を追っても他社と差は付きにくい。顧客が驚く製品を作り続けないと勝てない」。どん底で痛感した田中は、革新性を前面に出した商品開発にかじを切る。09年9月、超軽量で疲れにくいかけ心地を追求した「エア・フレーム」で勝負をかけた。
この「エア・フレーム」が大ヒットし、JINSは復活しますね。 ただ、なかなかできることではないですし、運も含めて色々なものが味方したはず、です。
「フルスイングすれば失敗しても何か学べると腹をくくった」
本当に経営は大変です。 勿論、「エア・フレーム」がいつまでも売れ続けるはずもなく、次は「眠気を感知する眼鏡」だそうです。アバタもエクボに見える「恋する眼鏡」なんてどうですかね(笑) しかし、こう考えると「代ゼミ経営のしたたかさ」が浮き彫りな感じもしますが・・・ もう少し考えたいと思います。
本日はこんなところで。