竹村義宏のフランチャイズBlog

フランチャイズ業界30年これまで50を超えるFCに携わった竹村のブログ。2015年5月FC2から引っ越し。

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藤田晋社長の転職した元社員への「激怒」騒動で、東進時代の永瀬社長の新入社員研修を思い出す

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こんにちは。

 

「帰ってきたら頼むぞ、全部任せたぞ」というのはそりゃ、ムコ込ですよね、竹村です。

 

今回の朝ドラ、「マッサン」は予想通り面白い。本日は昨日台風報道で休止のため、15分×2バージョン。 はっきり「スコットランドに行かせるのは婿入りが条件だぞ」と言わない社長(西川きよし)が悪い!という意見が多いようですが、そこが日本人、というものです。「お前は見どころがある」「会社を継がせてもいい」「娘と結婚してくれ」「スコットランドにも行かせる」というのが全部セット、なんですよね。全部セットで、全てがHappyなように決めていく、ということです。

 

さて、1週間前のニュースですが経営者の間ではかなり盛り上がっており、ここのところ意見を聞かれるので、 サイバーエージェント社長の藤田氏の日経新聞のコラムの記事の件。 日経のコラム記事で、新規事業立ち上げ途中で転職した社員を非難した件についてです。恐らくは周囲(SAでも転職先でも)この「個人」は特定されるので、それをこのような形で「公の」媒体で詳しく書いたことで議論を呼び、炎上しています。

 

竹村的には藤田さんの言ってることは正しいし、それを上手く計算してネットを利用しているなぁ、と思います。もちろん「炎上」効果まで計算済みのはず。 そのへんのところに関しては、このブログ記事に大変納得します。

藤田晋社長の激怒は経営的判断としては極めてまとも>浦部孝法さんのブログ

まず、転職した元社員の転職先の会社では、藤田社長が言及した社員の特定は極めて容易なはずです。当然サイバーエージェントで新規事業に携わったという実績をもって転職したと紹介されているはずですからね。それが、過去の失敗や仁義に反する辞め方をしたと暴露されてしまっては、転職先での仕事もやりにくくなってしまいます。そのことは転職先の企業にとってもマイナスですから、藤田社長はみごとに競業先にダメージを与えたことになります。 次に、今回のように仁義に反するような辞め方をした場合、自分も攻撃されかねないとサイバーエージェントの社員たちは釘をさされた格好になります。今後、同社に極めて不利な形で辞めるような社員は出にくくなる効果が期待されます。少なくとも、藤田社長は社員から怖れられることにはなったと思います。

 

そのとおり、ですよね。この後出てくる、 「嫌われるのはかまわない。その代わり怖がられる人間になりなさい。」 という言葉もネット時代には赤ペンチェックのフレーズでしょう。

 

今回の件で、竹村は東進ハイスクール(株式会社ナガセ)に入社した当時にうけた、「新入社員研修」の内容を思い出しました。

 

永瀬昭幸社長、直々の研修の中で、 仕事ができる を縦軸に 会社への忠誠心が高い を横軸に 四象限のマトリックスをつくるのです。

 

 

すると、

1>仕事◯ 忠誠心◯

2>仕事◯ 忠誠心×

3>仕事× 忠誠心◯

4>仕事× 忠誠心×

という4つの分類になるわけです。

 

で、社員としての優劣をつけると、 1>3>2>4 どころか、 1>3>4>2 であると教えられたわけです。 当時新入社員としてこれを聞いた時は、正直かなりの「違和感」がありました。新入社員として「仕事ができる」ようになろうと研修を受けてましたから。

 

そこを、永瀬社長は、あっさり言うわけです。

 

「2の仕事ができて会社への忠誠心がない、なんて奴は最悪。そんな奴には仕事を教えても他社に転職する。

ライバル会社になんか転職されたら会社としてのマイナスは大きい。

忠誠心がないなら仕事が出きないほうがまだマシ。4でもちゃんと給料は出すが、2なら辞めてもらいたい。」

 

当時はこれを聞いて理屈としてはわかっても、腹の底では納得して無かったと思います。 ただ、25年たった今となって考えればこの言葉の「正しさ」は分かりますね。「会社」「社員」というのはそういうものなのです。 今回の藤田さんのニュースでそんなことを思い出しました。

 

本日はこんなところで。