竹村義宏のフランチャイズBlog

フランチャイズ業界30年これまで50を超えるFCに携わった竹村のブログ。2015年5月FC2から引っ越し。

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日経「真相深層」の教育産業分析「少子化だから大人市場を狙え!」は間違いです

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本日二度目の投稿になりますが、竹村です。

 

この記事はややトンチンカンですね。

塾・予備校、大人で稼ぐ 資格や英語重視

予備校や学習塾が「冬の時代」を迎える中、気を吐く勢力がある。学習塾も手掛ける増進会出版社(静岡県長泉町)や、「東進ハイスクール」を運営するナガセなどだ。英会話や資格講座など「大人向け」をいち早く強化し、収益源に育ちつつある。事業縮小を余儀なくされた「代々木ゼミナール」の一人負けの背景には、多角化に出遅れた事情も浮かび上がる。

 

全く合ってない、ですね。 この記事が一般記事ならまだともかく、時間がたってからキチンと取材して書く「真相深層」ですから、ちょっと「違いますよ」と言いわなければなりませんね。

 

>>「代々木ゼミナール」の一人負けの背景には、多角化に出遅れた事情も浮かび上がる。

 

???そうではないですね。

 

「代々木ゼミナールの一人負け」は浪人生中心の過去型のモデルから、現役生中心の新しい予備校モデルに転換できなかった、具体的には「代ゼミサテライン予備校」という映像授業のFC展開で東進衛星予備校や河合塾マナビスに完敗したからですね。

 

ナガセの前期決算を四季報で見れば、確かに大人向け」のビジネススクール、は前年比で22%↑と伸びてはいますが、全体売上に占める割合は、「3%」でしかありません。 そして、全体売り上げの58%を占める主力部門「高校生部門」はそれ以上、前年比で32%伸びているわけです。 この数字を見て、どうして、 大人向け市場の多角化に成功しつつあることが、ナガセ勝ち、代ゼミ負けの要因である、という記事が書けるのか大いに疑問ですね。 100歩譲って「収益源に育ちつつある」という表現はできるのかもしれませんが、この見出しでこの文書を読まされたら多くの方が「真相」を読み違えますね。 「少子化だから大人市場へ」なんて誰でもわかるような形で成功するのは実は、簡単ではありません。 そもそも子どもが減れば後あと大人も減るわけですから。少子化というのは「人口減と高齢化」ととらえないと色々見誤ります。 そして、少子化の中、「塾」というのはまだまだ元気だ、と他の商売比、で思いますね。

 

ちなみに、昨日訪問させていただいた兵庫県の塾。 最寄駅は無人駅! さすがにこれはビックリ! でもそこから5分歩いたら、立派な建物の塾、があるんですね。 もちろん、駅からこの塾に行く道の途中に「店」なんて1軒もありません。

 

でもその塾で夜は沢山の生徒が勉強しているわけです。

 

こういうのを見ると「少子化だから大人!」なんて簡単に考えるわけにはいかないのです。この立地、建物を使って「大人向け」の商売の何ができるか? 絶対ないですから。

 

本日はこんなところで。