竹村義宏のフランチャイズBlog

フランチャイズ業界30年これまで50を超えるFCに携わった竹村のブログ。2015年5月FC2から引っ越し。

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ヒーローズは安いVS武田塾は高い!?低価格戦略と新コンセプト戦略

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こんにちは。

 

今週末は大寒波で低いと言われる投票率はさらに下がりそう、竹村です。

 

さて、本日の日経本紙<東海版>に「個別指導学院ヒーローズ」の躍進が記事になってますね。 「個別指導の塾半額で」 の見出しが冴えてますね。

 

さて、たまに頂くご質問に、 「竹村さんがオススメしているFCでも、ヒーローズは低価格路線、武田塾は高価格路線ですね?その辺はどう考えられているのですか?」 というのがありますね。統一感がないのでは、ということのようです。

 

これについては、前にも一度書いたことがあると思いますが、別の角度からもう一度。

 

「ヒーローズは安い、武田塾は高い、それは何故!?」に対する答えとしては、

 

1>ヒーローズは低価格戦略こそ成功要因

2>武田塾は価格勝負ではない

 

ということになるでしょうか。

 

まずはヒーローズ。 こちらは小中学生対象の個別指導塾ですから、同じやり方でやっている塾は多い。だから「低価格戦略」で差別化する、というのが有効なわけです。 「他に比べ安いけれども内容でも他には負けてません」 ということをアピールするわけです。 これをチラシ戦略に活かしたところにヒーローズの今の成功があります。フランチャイズの個別指導塾経営の最大のハードルは「開校時の生徒募集」にあります。その課題を「低価格アピールしたチラシ戦略」がかなりの部分解決してくれるわけですね。 「チラシ」というメディアの特性は「中身よりも価格に目がいく」ということなのです。「○○産の卵!オイシイ卵!」というより「卵10個99円!」というほうが訴求する、のです。 「他の個別指導塾より安い!」をまず第一にアピールできるところが、ヒーローズの強さなのです。

 

一方で、武田塾「日本初!授業をしない」というコンセプトで他とは全く違うやり方、をアピールしているわけです。 これはマーケティング的には「新コンセプト戦略」と言われるものです。強い商品力と他にはない魅力を伝えていく、ということですね。 これは「価格」で訴求するものではないのです。逆に「新コンセプト」のもの、サービスを安く出したら、本当の価値が伝わらないのです。 ですが、実は武田塾の生徒単価はさほど「高い」ものではありません。

 

少しうややこしい補足になりますが、一応説明しときます。 「武田塾は高い」と言われることもありますが、それは誤解もかなりあるのです。 平均で65000円/月額なので、この数字だけ見ると「高く」見えるのです。 が、 それは、小中学生の個別指導塾比、だからですね。明光義塾やスクールIEが中学生で2万、3万だとすればその「倍」なので月額でみればそうなります。でも小中学生の個別学習塾は「講習」が別にあるわけです。通常の月謝の他に夏期講習、冬期講習がプラスオン、されます。武田塾にはそれがありません。 そして、武田塾を「大学受験予備校」というくくりで比較すれば高いどころか「同じかむしろ安い」とも言えます。 東進衛星予備校河合塾マナビス、代ゼミサテライン予備校などに通えば、現役生でも70万、80万になることも普通ですから。(講習代含)勧められるままに講座をとれば、結局100万かかった、といケースも珍しくありません。

 

さらに、予備校というくくりではなく、「大学受験対応の個別指導塾」、という比較だったらヒーローズと同じく「半額以下」という言い方もできるでしょう。 ですが、武田塾の場合はそんな比較表なんかを出して、価格で訴求はしないわけです。 あくまでも「新コンセプト戦略」ですから。

 

競合を意識した小さな差別化、程度であればやはり「低価格」をうたうことでより集客がやりやすくなる、わけですが、「他とは全く違う」やり方であればもっと「本質的なところ」で訴求するべきなのです。 「本質的なところ」というのは、  このやり方のほうが他より成績が伸びるよ ということですね。 授業を受けるより自分でやるほうが成績が伸びる、そこに「共感・賛同」してくれる人に入って欲しい、ということで、ここを履き違えて、「授業がないから安いよ」ではダメなのです。

 

響く方には響く。万人から支持されなくても良い。「新コンセプト戦略」はそこから、です。

 

本日はこんなところで。