竹村義宏のフランチャイズBlog

フランチャイズ業界30年これまで50を超えるFCに携わった竹村のブログ。2015年5月FC2から引っ越し。

フランチャイズ業界30年 FC専門家の情報発信。
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フランチャイズはブランド価値の維持が難しい?という話

竹村義宏のフランチャイズBlog

こんにちは。

 

 

昨日の東京市場は600円を超える下落で2万円割れ、竹村です。

中国市場のバブル破裂?が引き金ですが、中国株は3年も前から実体経済との乖離というバブル懸念が指摘されそこから株価は倍になり、更に上げて…ですから。しかし日本のバブル崩壊時と違うのは、政府が手当たり次第に手をうって株価を支えようとするんですね~。しかし、その手のひとつが「個別銘柄を取引停止にする」なんてクレージーな手なんで余計に世界市場は警戒するんじゃないかと思います。

今日の日経本紙朝刊の広告に経済評論家?投資評論家?の長谷川慶太郎氏の「日経平均25000円時代の日本」という本の広告がデカデカとのってます。「下がったら買え!!!」のキャッチコピーがまさにドンピシャリのタイミング。まさか先週まで「株はオリンピックまで下がりません!!!」だったのを昨日変更した、なんてことはないんでしょうが(笑)。

 

今の局面「下がったら買え!」は正しい、と思います。すぐに儲けたい、とか100万円を1000万にしたい!とかいうのでなければ黙って「下がったら買って」おけば長い目でみれば儲かる、でしょう。

が、この御年88歳になる長谷川爺は25年前の日経バブル期、日経5万円だ!10万円だ!と吠えていた記憶が残り、この方にこう言われるとかえって心配になります(笑)。しかし当時、「これは完全なバブルだから今の3万円なんて1万円になる」とまで言い切っていたのは野口悠紀雄氏くらいだった気がします。「超整理手帳」の人。多くの専門家は「これはバブルといえばバブル、でもまだ上がる」みたいな言い方でした。そんな雰囲気がバブルを膨らまし弾けさせるわけで。

 

 

 

まぁ、そんな話はそっちの専門家に任せるとして、

この記事。

 

zasshi.news.yahoo.co.jp

 

昨日も6月の店舗売上が前年23%減のニュースが入ってきたマクドナルド。もはや売上減ではニュースにならないくらいの域に達してきた感がありますが…

 

この記事は以前このブログでも紹介した「マクドナルドのフランチャイズ化の功罪」について書いていた教授さんの新しい記事ですね。

 

今回は「フランチャイズ化」によるチェーンイメージ=ブランドの維持の難しさ、について考察しています。

 

フランチャイズ化は店舗の経営を店長に移譲するものです。そのため、店長にとって、マクドナルド全体の収益よりも、店舗の収益の方が重要になります。すると、ブランド価値は店舗経営にとっても重要ですが、ブランドイメージの向上にいくら努力しても、全社的な収益の向上につながっても、自身の店舗の収益の向上には部分的にしかつながりません。 

 

なるほど、なるほど。

 

個々のフランチャイズにとってはマクドナルド全体のブランド価値の維持よりも、個々の店舗の収益の向上が第一になり、ブランド価値の維持が、ややもすれば他人事になってしまいます。経済学では、こういった状況を外部不経済と言います。 

 

外部不経済」なんて言葉は覚えなくていいですが、要は加盟店が「全体」のことより「自分」のことばかり考えて動くので、全体イメージ=ブランドの維持ができなくなる、ということです。

 

 

確かに、フランチャイズ加盟店からしてみると、チェーンイメージ、ブランドイメージの向上というのは「本部」の仕事であり、加盟店はそれに「のっかって」商売をすればよい、と考えるのが普通でしょう。

しかし、それではチェーンのイメージ、ブランドというのは向上、どころか維持することも難しい。マクドナルドのような厳しい局面では全体のイメージなんか無視して自分の店舗の利益のために勝手なことをやる、こともでてくる。

 

「個々の加盟店がルールを無視して勝手なことをやってブランドイメージが損なわれる」ということですね。

 

これは事業フランチャイズ化する上での「本部のリスク」ですね。

 

直営ならルールを徹底し、厳しく管理すればいいわけですが、フランチャイズではそれはなかなか難しい。契約書を厳しくしてもグレーゾーンは残りますし、グレーゾーンを罰するルールなどを儲ければ加盟店の活力・モチベーションが下がります。

 

 

なので、

 

フランチャイズ本部はフランチャイズという仕組みで店を広げることによって、どこも全く同じ、という金太郎飴的「ブランドイメージ」を維持することは難しい、ということを織り込むべきですね。

 

では、フランチャイズではお客様がもつ「チェーンブランド」の価値は醸成できないのか?というと実はそうではありません。

醸成できるか?どころか個々の店の工夫と努力がブランドイメージをつくる、ということだって可能なのです。

 

モスバーガーなんかがいい例、でしょうか。

 

サービス産業生産性協議会のJCSI(日本版顧客満足度指数)が発表になってますが、「飲食」部門で1位は「モスバーガー」です。店ごとで手作り感を出しながら、見事にフランチャイズとしてのブランドーメージをつくったチェーン、ですね。

http://activity.jpc-net.jp/detail/srv/activity001442/attached.pdf

 

 

フランチャイズとブランドイメージの向上の関係、また考えてみたいと思います。

 

 

本日はこんなところで。