竹村義宏のフランチャイズBlog

フランチャイズ業界30年これまで50を超えるFCに携わった竹村のブログ。2015年5月FC2から引っ越し。

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任天堂岩田社長逝く…任天堂は学ぶべきところ多い企業です

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こんにちは。

 

 

夢は叶えさせてもらうもの、竹村です。

だから一人の夢の実現には多くの人の想いが結実しており、夢を実現したあとも多くの人の想いを背負って励まねばならない…<昨晩の天皇の料理番」最終回から>

 

料理番になるまでの展開がドラマティックで素晴らしすぎ、その後は間延びした感は否めませんが、いいドラマでした。

 

 

さて、今朝、任天堂岩田聡社長の訃報が飛び込んできてびっくり。

 

 

胆管腫瘍で手術をされて激ヤセされたましたが、その後も社長として仕事をされていたわけで驚きです。55歳の若さですし。

 

任天堂については先日この本を読んだばかり。

 

企業が創業からの哲学、遺伝子をどう引き継いで、世の中の変化に対応していくか?ということについて大変勉強になる本。

 

 

任天堂については山内溥氏が亡くなられた時にもこのブログで書いてますね。

 

ytakemura.hatenablog.com

 

 

任天堂フランチャイズ、とは直接関係ない企業ですが、「娯楽」という人々の快感=本能どまんなかの分野、そしてブーム・流行の激しい分野において、いかにお客様を虜にし続け、市場を維持・拡大していくか?は大変勉強になると思います。

 

簡単に「ブルーオーシャンレッドオーシャン」なんて単語を使ってしまう方は、一度任天堂の歴史を学ぶと良いと思います。

 

 

さて、亡くなられた岩田聡社長ですが、イメージとしては業績低迷の中、次の戦略を語る、という場面が多く残っています。2002年に社長に就任されてますが、とくにWiiUの失敗以降は社長の経営手腕まで問われる批判も多くありました。

 

ただ竹村的にはその発言から学ぶべきところが多くあり、現在業績が低迷する企業のTOPが未来を語るひとつの見本、としてウォッチしていました。

 

 

その集大成がコレですね。

 

 

昨年1月の四半期決算での説明会。全文がPPT資料付きで読めます。大幅下方修正後の社長プレゼンなわけですが、素晴らしい内容に思えます。

 

2014年1月30日(木) 経営方針説明会/第3四半期決算説明会 任天堂株式会社 社長 岩田聡

 

某「大塚◯具」のかぐや姫的女社長のプレゼンなんかと比べて、いかにレベルが違うか?がわかると思います。

 

 

下方修正についての謝罪の後、

 

今日は未来の話をさせていただくわけですが、まず最初に、任天堂が今後も変えないことについてお話ししておきたいと思います。

 

というフレーズから始めてるわけです。おそらく株主は業績の改善しか頭になく、そのためには「どこを変えるんだ」と思っているわけですが、そこにあえて「今後も買えないこと」から、と。

 

 

競争相手に市場を奪われているのでは?とうい不安に対しては、

 

「娯楽は他と違うからこそ価値がある」ということについても、今後も引き続き大切にしていきたいと考えています。
任天堂は連結従業員数が5000人あまりと、決してリソースリッチな企業ではありません。他と同じことをして、単純な体力勝負を挑むのは、当社の強みが活かせる分野ではありません。「他に比べてどこそこが劣っているから追いつく努力をするべきだ」「なぜ今こんなに流行していることに取り組まないのか?」というようなご指摘もよくいただくことがあるのですが、中長期の視点で見れば、流行の後追いは、任天堂という娯楽企業の経営にとって、なんら良い結果をもたらすことにはならないと考えています。

 

と答えます。

 

 

業績不振の理由をきちんと分析し、業績向上に直結する短期の課題をあげてそれに対するソリューションは大事。

しかし、もっと大事なことは中長期の戦略。

が、残念ながらここは多くの一般ピープルには見えていない…しかし、任天堂という会社の歴史は「花札」の時代から、「見えてないところに新しい提案をしてかつてない市場を作ってきた」わけです。

 

任天堂が、花札の製造販売をする会社として125年前に創業して以来、玩具、電子玩具、ビデオゲームと、次々と変遷しながら実現し、お客様に提案してきたことは、「人々のQOLを楽しく向上させたこと」にほかならないと思います。そして、任天堂がこれからの10年で挑戦することは、「人々のQOLを楽しく向上させるプラットフォームビジネス」です。

 

これが昨年1月に岩田さんが語られた10年ビジョン。

道半ば、どころの話ではなく残念です。

 

 

時間のある方は、上の全文ぜひ読んでみてください。

 

 

最後に、岩田さんの仕事で触れておきたいのは、コレですね。

 

www.nintendo.co.jp

 

社長が訊くという企画で、岩田さん自身が各ソフトなどの開発メンバーにインタビューを試みる、ということでかなり面白い企画です。

 

この「社長が訊く」について株主からもっと宣伝したほうがいいのでは?と質問をうけると、サラリと次のように答えます。

 

まず、「社長が訊く」をもっと宣伝すべきだと、いうお話については、「自分で宣伝するのはいかがなものか」という気もいたしますので、皆さまにご協力いただければと思います。 

 

このスタンスもいかにも岩田さん。

 

 

ご冥福をお祈りします。

 

本日はこんなところで。