竹村義宏のフランチャイズBlog

フランチャイズ業界30年これまで50を超えるFCに携わった竹村のブログ。2015年5月FC2から引っ越し。

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「教育」の経済学?非認知スキル?などいろいろ考える

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こんにちは。

 

 

総理大臣がなんだ! ノーベル賞・大村智先生の、権威に媚びない「痛快人生」 ←今週発売の「週刊現代」からの記事ですが面白いですね、竹村です。

 

記者会見での安倍総理からの電話の場面はテレビにバッチリ写ったわけですが、あの瞬間を狙ってかけてくる首相とそれを「あとで」と待たせる大村さんの対応はまさに、痛快。また記事に書かれている「ビジネスセンス」も見事。こういう方がむしろ今まで取り上げてこられなかった方が不思議、ですね。

 

 

 

そんな大村さんの「大村智物語」も載ってる、今週の「週刊東洋経済」。

 

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「教育の経済学」というタイトルで特集です。
 
この本が売れているからですね。

 

「学力」の経済学

「学力」の経済学

 

 

著者の中野牧子さんは慶応の准教授。労働経済学の観点から「人間は投資によって技能や知識を高められる=人的資本論」を研究し、「学力の向上」と経済の成長について分析されている方ですね。

 

 
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インタビューを読めば、「教育に科学的根拠を求める」という考えについて、日本は世界にかなり遅れている、のだとか。
 
教育における「投入」と「成果」の因果関係がまだまだ明らかでない、と。
 
大切なのは「相関関係」があることは「因果関係」あることを意味しない、ことだ。<中略>相関関係は「XとYという2つの事象が同時に起こっている」ことを意味するのに対し、因果関係は「Xという原因によってYという結果を引き起こした」ことを意味する。
 
この理解すら曖昧だ、といわけです。多くの人がそのレベルなので『「学力」の経済学』という本は売れているのでしょう。
 
確かに、
 
学習塾に通うから成績が良い(因果関係)のではなく、成績がいい子が学習塾に通っているにすぎない(相関関係)という可能性は十分にある。
 
と言われると、その認識はかなり曖昧な中で「学習塾」というビジネスが成り立っていることは否定できないかもしれません。
 
だから、
 
やる気もなく勉強をする習慣もついていない子どもの親としては、「ウチの子でも成績が上がって◯◯高校に合格せせてくれるのだろうか?(実績を指しているのはもともともっと勉強がデキる子なのではないか?)、
 
と不安になるわけです。
 
 
勉強、において「投入」と「成果」の因果関係の解明はなかなか難しい、でしょう。
 
 
 
この特集でも、それが難しいひとつの要因として、遺伝などと並んで、
 
「非認知スキル」
 
という考え方にページが割かれています。
 
 
 
IQや学力、記憶力など数値化できる能力よりも、気質や性格など目に見えないの能力が「非認知スキル」で、そっとの方が大事では?という考え方です。とくに新しい考え方ではないですが。
 
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「非認知スキル」といっても様々あるわけです。
 
思いやり、協調性、やりぬく力、社交性、自制心、勤勉性など人間が生きていく上で大切な能力全般をさすと考えればいい。
 
で、この記事ではひとつの最重要な「非認知スキル」として、
 
「セルフコントロール力」
 
をあげています。
 
 
 
記事を読んで確かに、と思う部分は多くありましたが、ただよく考えてみると、この「セルフコントロール力」こそ受験で問われるところですよね。
 
目標を立ててそれを達成するために、中学、高校の思春期真っ盛りのさまざまな欲望やを抑え、悩みと戦いながら、自らをコントロールして成果を出す、その証としての「合格」ですから。
 
となれば、やはり「セルフコントロール力」が強い子は受験を制す可能性は高いと思いますし、それを受験の成果である程度まで測ることができるのでは、と思いますね。
 
なので、「学力の高さよりもセルフコントロール力の高さのほうが将来重要になる」という考えには、半分納得できませんね。
 
 
 
竹村がこのフランチャイズのFC開発に関わっていたのが約10年前。
 
当時もいろいろ考えましたね。
 
 
 
目先の点数を上げることよりも、人生に成功する「心」の部分を鍛えるというプログラムで、あの「7つの習慣」をベースにしているわけで、内容としては素晴らしいものだった、と思います。
 
ただこのプログラムを「投入」すれば必ず「成果」が出るか?というと、そうではありませんでした。
 
必ずいい成果がでる、この講座を受講したことしてない子では確実に何かが変わる、のであれば、全国の学習塾で競って導入したはずです。しかし実際には、この「7つの習慣J」に出会って人生が変わるほどの成果を出す子もいれば、まったく合わない子もいるわけです。「そこそこ成果の出るよく出来たプログラム」の域を出なかった、ということです。
 
 
 
そこが「教育」というものの難しさであり、奥深さです。
 
 
 
竹村自身のことを考えても、確かに受験生のある期間勉強し一定の成果が出たことは、その後の人生において「経済学」的に見ても大いにプラスだった、と思います。ではなぜあの時期、欲望や誘惑に負けず勉強したか、といえばこれは冷静に考えると「酒屋になりたくなかったから」ですね。
 
実家の酒屋を継ぎたくない一心で、この時期だけ頑張れば、と「セルフコントロール」したわけです(笑)。
 
けっこう「個人的」なところまでほっていけば、私のようなケースも多いのではないかと。だから、『「学力の経済学』の著者中野牧子さんの主張する「個人の経験で語ると教育の本質は見えてこない」というのは正しいんだと思います。
 
 
 
本日はこんなところで。