竹村義宏のフランチャイズBlog

フランチャイズ業界30年これまで50を超えるFCに携わった竹村のブログ。2015年5月FC2から引っ越し。

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「すた丼」と「すためし」の伝説か情熱か?そしてパクリか?という問題

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こんにちは。竹村です。

 

昨日の夜から涼しい気候。雨が降りそうで降らない東京です。

 

さて、昨日、「すた丼」と「すためし」について書いたところ、少々反響がありました。 けっこう「同じチェーン」だと思っている方がいるんですね。 都内なんかは、どちらもこの1、2年で一気に増えた感があり、わかりにくいかもしれません。

 

「伝説のすた丼」は初のすた丼の店が1982年。 1992年にオープンした国立のお店なんかがかなり繁盛店になり地域で「伝説」になったようです。 ただ、一気の多店舗展開はこの2、3年です。

「伝説のすた丼」アントワークス

フランチャイズ募集も始めたので少し注目しています。

 

 

で、「すためし」はこちら。

「情熱のすためし」ユウシン

 

こちらは、ほぼこの1年でオープンした店舗ですね。 「油そば」の店と併設になっていることと、大きな看板がやたらと目立つこと、が特徴です。 こう書くと、 「すためし」は「すた丼」のマネ? パクリ? ということになりますが、「外食」業界ではよくある事でもあります。 流行りの店をマネて店作りをするわけですね。

 

それを得意とする、というかそれを戦略ノウハウにしていると思われるがココ。

モンテローザ

 

白札屋 → 白木屋、に始まり、 和民 → 魚民 、月の雫 →月の光、 魚金 →魚蔓 ステーキけん →ステーキテル ・・・ と、ここまでくれば、拍手喝采です。

 

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訴訟になった案件もありますが、そんななんのその、という会社です。

 

で、「すた丼、すためし」に話を戻せば、もともと元祖、のアントワークスさんにしてみれば、面白くはないでしょうが、一方で 「形だけマネしたって本当の味はマネできない」 という思いでしょうか。

 

さて、この「すた丼、すためし」昨日の記事でも書いたとおり、繁盛していると思います。 牛丼並の2倍の金額ながら、普段牛丼を食べている層を確実にファンにしている感じ。

 

しかし、少し考えると面白い業態です。 ターゲットはかなり狭い、ところがスゴイです。 たっぷりの豚バラ肉にを濃いめのニンニク醤油ダレでからめた豚丼、ですから、男性のそれもかなりガッと食べるそう層、牛丼屋で「特盛」とかを食べる層がターゲットでしょう。 カロリーなんか気にしたら絶対は入れない店ですし、女性は常識の範囲内では無理、そして餃子なんてものじゃない「ニンニクの香り」ですから、本来は仕事中のサラリーマンもノンターゲットのはず、です。

 

が、そんな、狭いターゲットだからこそ、個性のトンがった店になっている気がします。 他では食べられない味で、ちょっと空くと何故か無性に食べたくなる「常習性」もあるんでしょう。 あと、確かに、牛丼並の倍の価格ですが、肉、ご飯ともに「量」は相当なもので、実はかなり「原価」の高い、メニューです。

 

だから、普段チェーン店の牛丼を食べている層からすれば、目茶苦茶美味しい、となるのだとおもいます。 調理も大鍋で煮込んだ肉を盛るだけの牛丼と違い、けっこう手が込んでますし。

 

で、最後に何が言いたいか、というと、 原価が高い 調理に一手間かかっている というのは今後の外食のひとつのポイントだと思います。 全く反対方向に昨日の記事で書いた「激安」路線がありますから、その対極として、激安チェーンのメニューでは出来ないメニューは求められるはずです。

 

ただ、ビジネスとして考えた場合、 原価が高いもの を 一手間かけた調理で出す というのは、業界用語でいうところの「FL比率」が高くなるわけです。 FL比率 = 原材料費と人件費の合計 です。 これを売上に対して60%台に抑え切るのが「儲かる飲食店」の常識です。 「多少原価が高くなっても家では食えない美味しいメニュー」を出す飲食店 は、激安と反対方向の、ひとつの「成功ポイント」になると思いますね。

 

本日はこんなところで。

 

コレ美味いらしいですね。竹村は「吉野家の〜」しか買ったことありませんが。 ご飯無しでこれと紅生姜でビールのツマミになります。