竹村義宏のフランチャイズBlog

フランチャイズ業界30年これまで50を超えるFCに携わった竹村のブログ。2015年5月FC2から引っ越し。

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【商売は変化対応業!】ユニクロ1兆円に思う、ヨーカドーとセブンイレブンの話

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こんにちは。竹村です。 本日の日経本紙朝刊はこのニュースが。

ファーストリテイリング売上高1兆円 今期見通し、衣料品で初

 

国内店舗は苦戦も、アジアを中心とする海外への出店攻勢で成長を続けます。 先日の中国での「反日デモ」への対応、柳井さんのコメントは国内からは批判がありましたが、 もはや、ファストリは「日本」企業ではなく「アジア企業」なのだ、 と考えれば納得いきます。 これが前々からの主張ですから。

 

この国を出よ この国を出よ
(2010/09/29)
大前 研一、柳井 正 他

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今日はこの記事と対比して読むと面白いのがコチラの記事。

成功の記憶、ヨーカ堂改革の足かせに (真相深層) セブン&アイ、好調コンビニにもあぐら

 

>(ヨーカドーの)業績は浮上しない。主因はかつて利益の半分を稼いだ衣料品が2000年代半ば以降、赤字に陥ったことだ。総合スーパーの独壇場だった低価格衣料は「ユニクロ」など専門店に完全に奪われた。 今時、衣料品は主にスーパーで買う、という方は本当に少ないでしょう。

 

>「スーパーは専門店に価格や品質で劣るというイメージが消費者に染みついている」(アパレル幹部)。

 

ので、「品揃え」レベルの改善では無理です。 記事でも少し触れられていますが、ヨーカドーも、伊勢丹でカリスマバイヤーだった、この方と契約して、「自社ブランド」商品に取り組みましたが・・・

 

 

自分ブランドで勝負しろ! 自分ブランドで勝負しろ!
(2004/01/06)
藤巻 幸夫

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不発、でした。 記事後半では、 イオンやイズミが、そんな「衣料品部門」をとっくに捨てて、テナント業の感覚で「専門店誘致」で業績改善している点をあげ、 ヨーカドーがそれができなかったのは、 >グループでセブンイレブンという高収益企業を抱えること。 だと解説しています。 >セブンイレブンの12年2月期の営業利益は約1800億円で、ヨーカ堂の不振は覆い隠される。 ということです。

 

逆に言えば、イオンやイズミにはそれはできないので、改革が進んだ、わけです。

 

>鈴木氏は自らが創業したセブンイレブンやセブン銀行について能弁だが、ヨーカ堂改革を語ることは少ない。「相対的なヨーカ堂に対する執着心の薄さが改革を遅らせた」(セブン&アイ関係者)。

 

それはそうでしょう。 ただ、「もうすぐ80歳になる」鈴木会長が、「自ら創業したから」という点に頑固にこだわっていることによる結果ではありません。 今後の日本社会には、 「スーパーではなくコンビニだ。」 ということです。 超成熟経済・超高齢化社会において、地域の人に必要とされるんのは「コンビニ」だ、 ということです。

 

・・・ 大昔、もう40年近く前になりますが、竹村の実家のある茨城県取手市に、 イトーヨーカドー取手店 が出店しました。 竹村の実家は古い商店街の酒屋でしたので、当時の「ゴタゴタ」を覚えています。 魚屋、肉屋、八百屋、商店街の店主が集まって、 「大型スーパーの出店反対」 という会議ばかりしてました。 行政もそんな「商店街」を守らればならない、ということで、  「大規模店舗規制法」 という法律が出来るわけです。

 

そんな中、当時イトーヨーカドーに転職した伊藤さんが、アメリカから「セブンイレブン」という店を持ってくるわけですね。 竹村はサラリーマンになって、この伊藤さんの講演を聞く機会が有りました。 その時、 「商店街の店主は駅前にスーパーが出来たらおしまい、安売りされたらおしまいという話ばかり。でもそれはそうじゃない。商店街の小さな店だって、工夫次第で安売りなんかしなくたって売れる、それをセブンイレブンで証明したかった。」 という話を聞きました。

昔を思い出し、妙に納得しました。

 

セブンイレブンの1号店オープンが1974年。当時誰が、スーパーがコンビニに負ける、なんて考えていたでしょうか。

 

まさに、 「大きく強いものが勝つのではなく、変化に対応できるものが生き残る」というダーウィンの進化論、ですね。 全ての商売は「変化対応業」です。

 

本日はこんなところで