「半分以上が赤字」のFCチェーンの打開策
竹村義宏のフランチャイズBlog
こんにちは。
泉谷しげるさんの「黒いかばん」は知らないかた方がほとんどなんですね、竹村です。
今、日経朝刊で連載中の一橋大学教授、楠木建さんの連載はなかなかいい事をまとめてますね。
楠木さんは著者「ストーリーとしての競争戦略」で有名、最近はレッドブル本も売れているようです。
ちょっと難しい言い方をしていますが、ここでまとめられている「イノベーションと差別化の関係」については、今何のビジネスをやるのに外してはいけない考えだと思います。
さて、では本論、昨日のブログの続きです。
昨日のブログはコチラ。
現状半分以上の加盟店が赤字で、「オーナー会なんて開催出来ない」と相談があったA社長、昨日までの話で、
「年明けにオーナー会を開催します!」
というところまでいきました。
で、その後は当然ながら、
「現状の赤字店舗の業績改善のコンサルをして欲しい、竹村さんの分野でなければ、どなたかを紹介して欲しい。」
という話にになりました。
しかしながら、結論としてはお断りしました。
私が手伝うのも、人を紹介するのも。
一言で言えば、並大抵の施策・努力でできる仕事ではない、からです。SV部強化、コンサルによる研修なんてレベルでは通常無理、です。
FCにおける「赤字店舗群の収益の抜本的改革」これは本当に難しいのです。
コンサルティングなら何千万、のレベルだと思います。
ビジネスモデルに疑問を抱いている、本部に不信感を持った、モチベーションの低い集団、に再び火をつけ、どんどん燃やし続けなければならないわけですから。
では、このA社長としてはどうすれば良いのか?
これは、
「新規加盟募集をする」
しかないのです。逆説的ですが。
新規のFCを5件入れてそこを全て黒字にする。時間はないので半年で。
既存の赤字店を黒字化するより、そちらのほうが簡単なのです。
A社長とすれば、今の加盟店が儲かっていないので難しいのでは?という気持ちがあったようですが。
が、その状況を見て、「この商売に自信が無くなった、とても他人様にやって貰えるような商売では無かった」という気持ちならフランチャイズ展開ををやめるべきなのです。
赤字店契約を解除し、やりたい人はそのまま同じ商売を続けても良い。保証金は全額返す。ロイヤリティが無くなるのでそのまま続けるところもあるでしょう。残るのは数店舗かもしれませんが、それはここまでの本部のFC展開のやり方の失敗ですから仕方ない。
というような、お話すると、A社長は、
「いや、商売としては間違ってない。自信がある。自分がやれば100%成功させられる。」
とのお言葉。
「であれば、ここから入ってくる加盟者は営業段階から全て社長が対応し、立ち上げのフォローまで社長がやる。そこまで社長が関与すれば入ってきた方を成功させられますか?」
との質問には、即Yesとの回答。
「ならば、半年で新規5つを成功させましょう。その取り組みを既存店に少しづつ伝えていく。最初は関心も薄く、冷ややかかもしれませんが、流石に「新しく入ったところは全部成功している!となれば、「何が違うんだ?」というところは出てくるのです。」
「そういう前向きな姿勢になってくれればそこを伸ばすことは出来ます。たとえ赤字店舗でも。」
そんな話で方向性は見えたのです。
ここからは、施策の具体論になるのでブログでは書けません。
もちろん、こういった相談の場合は個々の状況によって打ち手が全く違う場合もあり、必ずこうすれば良いという「ノウハウ」にして一般化は出来ません。
が、「ひとつのFC本部の大きな悩みへの回答」として読んで頂ければ勉強になる部分はあるはずです。
A社長には今回無料で相談にのるかわりに、やりとりの一部をケーススタディとして、竹村のブログやメルマガで紹介させて頂く了解を得ました。
内部状況がわかる部分も書いたので、「どこですか?」という質問には答えられませんので、そこはご了承を。
本日はこんなところで。
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