竹村義宏のフランチャイズBlog

フランチャイズ業界30年これまで50を超えるFCに携わった竹村のブログ。2015年5月FC2から引っ越し。

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起業する前に「タクシー業界」から学ぶこと、とは!?

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こんにちは。 雨があがればムシ暑いこれぞ日本の夏、竹村です。 昨日の日経本紙朝刊に、タクシー大手、日本交通の川鍋一朗社長のインタビュー記事が載ってますね。 タクシー規制 再強化は後退か 日本交通社長 川鍋一朗氏 規制緩和による自由化の失敗で再度規制強化される「タクシー業界」についてです。

 「タクシーの規制緩和は過去に各国で試みられているが、ことごとく失敗し、何年か後にもう一度規制せざるを得なくなっている。日本でも過去10年の規制緩和で台数が増えすぎ、運転手の賃金は低下した。」

もちろん今回の「自由化からの規制強化」は日本交通のような「大手」には有利に働きますので、 「消費者を保護するためには規制を設けるべき」 というのが川鍋社長の主張です。 で、何故この記事を取り上げたか? この「規制(=保護)と自由(競争)」というのは実は商売における、非常に重要なテーマなのです。 是非、「起業して自分で商売をする」ということを、イメージしやすい「タクシーという商売」で考えてみて欲しい、と思うのです。 とくに、自分がまず「労働力」として入って人件費を抑える形の「スモールビジネス」の場合は、起業したらタクシーの運転手のようなものだ、とイメージしてみることをオススメします。 タクシーの運転手という職業を聞いて「稼げる」というイメージをもつ方は少ないと思います。 募集広告には「月収40万可能!」なんて書いてありますが。 ただ、これは全くの「嘘」というわけではなく、実際稼いでいる運転手さんもいる。ただ「少ない」のです。 なぜ少ないか?といえば「大変だから」ですね。 「稼ぐ」ためには「流し」でお客様を拾って乗せなければなりません。最初のうちはそれを頑張ろう、とする方も多いと思いますが、多くの方が挫折してどこかの駅構内のタクシー乗り場で待つ、というスタイルを選択します。 かなりの時間待ちますが、「確実に」お客様を乗せられるので。 先日東京駅丸の内から乗車した際に運転手さんに聞いたら、「(流しで頑張って売上伸ばすなんて)精神的にもたないよ」という答えが返ってきました。「俺なんか、もうそんなに金かかんないしね。」と。 こうなると、もう「稼ぐ」理由がありません。 こういう運転手さんが、駅構内のタクシー乗り場で仲間と談笑しているわけです。 一方で、深夜に夜の盛り場から乗ったらわかりますが、今日のホテルのイベント調べて、リサーチして、曜日の流れをよんで、「流し」ている運転手さんもいるのです。 そういう運転手さんは「この商売は個人技だからね」と言います。「会社に雇われてる、と思ってやっちゃダメよ」と。 基本「規制緩和して競争の自由化」をすれば、このタクシー業界のように、一部の「稼ぐ」人たちと、大部分の「稼ぐ気力のない」方々に、二分されます。 これに対して「勝ち組・負け組」というタイトルの付け方は、少々ズレている気がしますが、「稼げる人は少なく、稼げない人は多い」という形で二分されるのは事実です。 さて、「起業前」にこのタクシー業界の競争をイメージする、という意味が伝わりましたでしょう。 自分は駅構内に並んで、売上が低くても確実に商売をしたい、というのが本音であれば、やはりサラリーマンとして会社の下にいることをオススメします。 それより問題は、最初は「稼ごう!」と燃えていたのに、少しツライと諦めてしまう方です。色々な言い訳が諦め、に繋がります。 楽して稼げないのはどこも同じ、タクシー業界なら「規制による保護」がありますが、そんなもんない、という業界がほとんどです。 もっと楽じゃない、かもしれません。 本日は「起業は慎重に」というような話になってしまいましたが、この程度の話を読んで、起業心が萎えるようなら起業はやめておきましょう。 本日はこんなところで。