竹村義宏のフランチャイズBlog

フランチャイズ業界30年これまで50を超えるFCに携わった竹村のブログ。2015年5月FC2から引っ越し。

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現役セブン-イレブンオーナーの会見で考える「コンビニ労働問題」の本質とは!?

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こんにちは。

 

大垣日大、三重高校に敗れました…竹村です。

 

8点ビハインドから大逆転の一回戦とはうってかわり、阪口監督の「笑顔マジック」は見られず残念。

 

さて、本日ネットで発見したこの記事は濃いい内容ですね。コンビニの「労働環境」についての議論は、これまでも様々な形でされてきましたが、7月30日に行った国特派員協会で記者会見でのやりとりをまとめたこの記事は、本部「セブン-イレブン」の担当者のトークまで語られており、 コンビニ本部とコンビニオーナーとの関係 が見えてきます。

「労働条件はアルバイトのほうがいい」コンビニ店主たちが訴える過酷な「労働環境」

 

千葉県でセブン-イレブンを経営するという三井オーナーが発している本部に対する「疑問」、本部の姿勢、やり方に対する「不満」は理解できます。 加盟オーナーの立場で考えれば、「おかしい」というところはあります。 ただ、「加盟店の裁量が殆ど無い」のは当たり前であり、あっちのセブンとこっちのセブンでレイアウトが違ったり、おいてある商品が違ったり、トイレが使えるところとNGなところがあったりしたら、これは大変困るわけです。どの店に入っても「全て同じ」だからこそ、利用する側として安心感がある。 言ってみれば「加盟店の裁量が殆ど無くす」ことでコンビニは顧客満足を高めてきたのです。

 

あと、「一日売上について一旦すべてを本部が回収する」からこそ、細かな会計の処理を店側がやらなくて良いわけです。逆に売上は一旦「店」のもので、そこからロイヤルティや本部借り入れ等本部支払い分を支払う、というやり方だったら、様々な事故が起こります。普通に考えて、毎月2500万円の売上から2400万以上が本部支払い分なわけですから、一旦すべて本部が回収する、のは自然な流れです。本部の会計処理が「グレー」だ、という疑念を持つ方もいるようですが、それはもう本部を「信頼」するしかありません。

このように様々なことが起こるので、本部の方にいろいろ質問するんですが、『本部を信頼していないのですか』と言われるわけです。そして、『この信頼関係が崩れると、契約の期日を迎えたときに更新することが難しくなるかもしれませんね』という牽制を受けるようになりました。そういうことで、多くの加盟店はいろんな疑問を持ちながらも、妥協しながら店をやっているのが現状です」

 

本部に対して大きな不満があるなら、契約満了で「こちらから辞めてやる!」となるはずですが、「更新が難しくなる」という牽制でモノが言えなくなる、というところに、「コンビニ労働問題」の本質があります。

 

竹村的には、この三井オーナーのような方が何故コンビニに加盟したのかが、不思議です。 記事を読む限り、知識もあり頭も良さそうなので、脱サラ起業でコンビニを検討する際に様々情報収集し勉強したはずです。 例えば、この会見で弁護士が言っている、

コンビニのフランチャイズ契約は「偽装された雇用関係」であると指摘し、「加盟店に裁量がほとんどなく、年間3000時間以上の長時間労働を強いられている」

 

なんてことは、耳に目に入っているはずなのです。 だから、加盟検討の際も「慎重だった」とも言っています。

私は以前、大手都市銀行の国際部門にいましたので、そういう契約関係のことは分かっています。しかし私がこのチェーンに入るときに、面接を何度も受けましたが、警戒されました。『他で大手企業から来た人と非常に揉めているんですよね。契約して大丈夫ですかね』といろいろ言われました。

 

本部からは加盟の時点で「加盟させて大丈夫かな?」とマークされていたということですね。 本部としては本部のやり方にアレコレ疑問を持ったり、商売について自分で工夫したいような方は入ってほしくないわけです。本部の言うとおり愚直にやってくれる人が最適なのです。 頭の良さとか、(ビジネスマンとして)仕事がデキる、「愚直」なオーナーが成功するのがコンビニです。 そのくらいのことを、「大手都市銀行の国際部門にいた」デキるビジネスマン三井オーナーは知っていたはずなのに、何故?と思います。

 

本日はこんなところで。