竹村義宏のフランチャイズBlog

フランチャイズ業界30年これまで50を超えるFCに携わった竹村のブログ。2015年5月FC2から引っ越し。

フランチャイズ業界30年 FC専門家の情報発信。
竹村義宏公式ホームページ www.fc-takemura.com



大学進学率50%超時代になぜ「塾・予備校」が必要か?

竹村義宏のフランチャイズBlog
おはようございます。 福島県の首長選、現職ドミノ倒しは止まりませんね、竹村です。 昨日の福島市は現職に対して地縁もない無名の新人がダブルスコア当選。投票率も高いので地元には相当な現状への不満が溜まっているのでしょう。 本日は日経本紙朝刊月曜日に連載されている池上彰さんの連載記事から少し解説を。 実は、この記事でまず注目して欲しいのは、記事中央にある 「男女別大学進学率」の推移グラフ です。 このグラフを見ると、竹村が生まれた1966年当時は男子が約20%、女子は5%にも達しません。 親が「男の子は大学出しときゃ安心だ」と思っていた時代です。 それが、竹村が大学に進学した1985年には、男子39%、女子15.2%まで上昇。 みんな「大学進学だ!」と考えるので競争が激しくなった時代です。 そして今や、男子55.9%、女子44.2%、です。全体で50%を超えているわけです。 ここから間違いなく言えることは、 「大卒の価値はどんどん下がっている」 ということです。 1970年代なら、「大卒」というだけで同世代の8人に1人、ですから、勉強のできる人、ものをよく知っている人、という「希少価値」があったのです。 それが今や2人に1人が大卒なわけですから、そこにそのような価値はありません。 なので、大卒者の就職が厳しいのはこの背景から当然なのです。「需給バランス」が供給過剰なわけですから。 大学に「入った」だけでは人材としての価値は感じられないわけで、どの大学か?何をどれだけ勉強したか?が問われるのは当然です。 なので、常にニュースになる「大卒者の就職が厳しい」のはこの背景から当然なのです。 このブログを読んでいる方に大学生はほぼいないと思いますが、この 「需給バランス」 は全ての物事の考え方の基本になるので取り上げました。 当然ながら「商売」でも「需給バランス」が考え方の基本です。 その商売が「供給不足」なら儲かりますし、お客様の「需要が高い」状態なら儲かります。 その逆なら儲かりません。 この「需給バランス」というは「数☓率」の論理になるので、本当に重要なのです。 「需要>供給」の状態なら、客数も多く利益率も高い ということです。 これはよく「エスカレーター」に例えられますね。 「需要>供給」なら上りのエスカレーター 「需要<供給」なら下りのエスカレーター 「前に進む努力に対する成果」が全く違うのです。 ・・・ さて、大学進学率の推移グラフから「需給」の話を書きましたが、今回の池上さんの記事は 「学校教育改革の歴史と背景」のまとめ記事 として良い内容だと思います。 教育産業に携わる方は「知識」としてこの流れは知っていなければなりません。 「東西冷戦」の影響を背景にした教育改革から、日教組と文部省の対立から日の丸・君が代問題、そして中央教育審議会、等など「流れ」と「キーワード」がつかめます。 あと、この記事で重要なところは、 「教育問題」というのは常にある という解説です。 池上さんが記事で、

まるで、「もぐらたたき」のように次々と問題が起き、それを抑えようとすると次の問題が起きる。生徒、先生たちは翻弄されてきたのです。

と表現されている部分です。 記事で書かれている、以下の部分、

~もっと学力を付けるため、詰め込み教育が始まったのです。 ところが詰め込み教育が広がっていくと、当然ながら、授業についていけない子どもたちが出てきました。子どもたちは学校にいても面白くないわけです。やがて、授業中に生徒が外へ抜け出し、たばこを吸う、学校の窓ガラスを割るといった、いわゆる「荒れる学校」という現象が起きてきます。 いわゆる校内暴力の嵐を学校や先生は力で押さえ込みました。校内暴力を抑え込んだら、今度は学校内で陰湿ないじめがあちこちで起きるようになりました。自殺者まで生まれてしまっています。 そこから、「いじめ対策を何とかしなければいけない。一人ひとりの生徒をきちんと見る必要がある」といって、さらに締め付けが行われました。表向きいじめが消えてきたようにみえてきたら、今度は不登校が爆発的に増えるという状態になりました。

これを「もぐらたたき」のイメージでしっかりとらえておくべきです。 で、「学校教育」=公教育というのはいつの時代もこのような「問題のもぐらたたき状態」なので、その問題を解決するために「民間教育」のニーズというのは常に高い、のです。 「二人に一人が大学生になる時代(勉強しなくても大学に行ける時代)に、塾・予備校がなぜ伸びるの?」という問いには、 学校(公教育)だけには任せておけないから 明確な答えがあるのです。 なので、親が「教育は学校にまかせれば子どもの将来は安心」という時代がやってこない限り、私教育=教育ビジネスのニーズが小さくなることはないと思うのです。そんな時代絶対にきませんね。 本日はこんなところで。 「人気ブログランキングに参加中! ワンクリックが励みになります。
人気ブログランキングへ 日経の連載はこの講義からのセレクトですね。
この日本で生きる君が知っておくべき「戦後史の学び方」 池上彰教授の東工大講義この日本で生きる君が知っておくべき「戦後史の学び方」 池上彰教授の東工大講義
(2013/03/27)
池上 彰

商品詳細を見る