竹村義宏のフランチャイズBlog

フランチャイズ業界30年これまで50を超えるFCに携わった竹村のブログ。2015年5月FC2から引っ越し。

フランチャイズ業界30年 FC専門家の情報発信。
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ローソンVSローソン~コンビニにおける「自社競合」を考える

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おはようございます。竹村です。 自民党圧勝、の風は無視できない、という流れか、 日銀、白川総裁が、あっさり、  「物価上昇目標2%」 を受け入れ。 当初、安倍さんが発言した時の反応からは、一変、です。 ただ、日経本紙朝刊の3面の解説通り、 「2%の目標」 というのはかなり現実的には難しいものです。 これに「政官一体」で取り組む、となれば、かなりの「動き」が出るはずです。 ただ、やはり「官」の方はまだわかりませんね。 さて、本日のニュース「コンビニ」関連でいくつかニュースが出ていますが、 まとめ記事的なこれについて。 コンビニ「敵はアマゾン」 店を飛び出し消費者へ<日経デジタル(会員限定) >サークルKサンクスは「フィールドワーク」と呼ぶ活動を強化している。店で待っているだけでなく、人海戦術で顧客をつかもうとの戦略だ。全6千店のうち4割の店舗が戸別訪問を実施。 大手コンビニから陥落した感のあるサークルKサンクスですが、「ドブ板」で顧客獲得ですね。 「全6千店のうち4割」 であれば、本部の強い指導が入っているのでしょう。 「看板」に頼らず、出て行け、という話です。 >セブン―イレブン・ジャパンは弁当などの宅配サービス「セブンミール」の拡充を急ぐ。その武器となるのが7月に導入した小型電気自動車「コムス」。保温ケースを備え弁当や冷凍・冷蔵商品、おでんも運べる。現在、全国で200台が稼働し早期に1000台に増やす。リース料を本部が8割負担するほか、配達件数に応じた奨励金も出す。 この、まずは費用は本部が大半負担することで、「新しいこと」をやらせる というのはセブンイレブン流です。 あと、フランチャイズを考える上で、この記事の最後のくだりは重要でしょう。 ローソンが来年1月からはじめる、Yahoo!との提携、ですね。 これについて、 >セブンイレブンが店舗やカタログにある3000種類強の商品を宅配する仕組みなのに対し >ローソンは新たに設ける専用センターから食品や日用品2万3千点を配送する。 「3000 VS 23000」ですから消費者から見たら、ローソンが便利、と考えます。 が、 問題は、記事が指摘するととおり、 このローソンのやり方では、 >フランチャイズビジネスのコンビニにとって加盟店の収益に直接つながらない ということです。 要は、このサービスだけ見れば、 「本部は儲かっても加盟店は関係ない」 という見方もできる、というわけです。 そこを、 新浪社長は、 「客層を広げるためには自社競合も恐れない。敵はずばりアマゾンだ」 と言い切っているわけです。 この言葉が重要です。 要は、 ローソン全体が勝たなければ、個々の加盟店は勝てない、 ということであり、 ローソン全体が勝つためには、「自社競合」も当然。 ローソン VS ローソンだ、 ということです。 「トヨタの敵はトヨタ」という言葉があります。 ご存知のとおり、トヨタは、 トヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店、レクサス店 という5つの看板の違う店で、違う車種を売って、競い合っているわけです。 これが、  トヨタの敵はトヨタ なんです。 販売店側から言えば、 ひとつのエリアのトヨタの車を独占して売れる という店が理想、と思うかもしれません。 「独占」できますから。 ただ、それは間違いですね。 トヨタがそんな販売戦略をとっていたら、間違いなく今の成功はありません。 今ではほとんど言われませんが、 その昔、長らく「技術の日産、販売のトヨタ」と言われた時代があり、 その「販売戦略」のキモがこれです。 そこには、 チェーン理論としての、  自社競合の理論 や  スモールテリトリー・ビックシェア があります。 これは、フランチャイズもほぼ同じですね。 過去に、 「ビックテリトリーを独占」させて成功した、という事例はまずありません。 「フランチャイズ」というのは元々は「地域権」という意味であり、   その地域独占 をイメージさせるものですが、 「独占権」として保護してしまうと、ビジネス上はうまくいかないのです。 ですから、話を戻して、 ローソン新浪社長の、 「客層を広げるためには自社競合も恐れない」 という発言は、 フランチャイズ的に見て間違いではない、と思います。 逆に、この発言を聞いて、 「そんなこと言われたら安心して商売できない」 と感じるようでな感覚なら、 コンビニという余りに競争の激しいFC はやめておくべきです。 また、長くなってしまいました。 本日はもうひとつ書きたい話題があったのですが、また次回に。 例の「ミドリムシ」の会社の話です。 今回はこんなところで。 売れてるようですね。(読んでません)
個を動かす  新浪剛史、ローソン作り直しの10年個を動かす 新浪剛史、ローソン作り直しの10年
(2012/12/13)
池田信太朗

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