竹村義宏のフランチャイズBlog

フランチャイズ業界30年これまで50を超えるFCに携わった竹村のブログ。2015年5月FC2から引っ越し。

フランチャイズ業界30年 FC専門家の情報発信。
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「小僧寿しリストラ」に思う、スタッフはどれだけ小僧寿しを食べているのか?

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おはようございます。 NHKの「ニュース深読み」の浅すぎる解説に頭が痛い、竹村です。 昨日のニュースですね。 小僧寿し、本体社員の3割強削減 希望退職者を募集 全社員172名に対する35%に当たる60名 ですから、かなり「リストラ」です。 希 望 退 職 者 募 集 に 関 す る お 知 ら せ <小僧ずし 「希望退職者募集」とはありますが、これによれば、「会社に残る」という選択肢はほとんど無いのでしょう。 >社員独立支援制度により社員の選択肢を増やしたうえで、希望退職者を募ることを決定いたしました。 これは、小僧寿しのFC店舗のオーナーとして独立しなさい、ということです。 会社側の目的は明確に書かれており、 >今後加盟店比率を 7 割まで拡大し、小僧寿しフランチャイズチェーンのフランチャイザーとして「小さく」「効率的な」本部を再構築してまいります。 ということです。 要は、直営店舗の業績が悪く、このままでは会社として維持できない。 そこで、FC化を推進し、独立した各FC店舗が「パパママストア」的頑張りで店を維持してくれれば、会社は「FC本部」として何とか維持できる、ということです。 それが、 >「小さく」「効率的に」 の意味ですね。 思えばこの「小僧ずし」の迷走は、2006年に「すかいらーく」の傘下に入った時点から始まります。 業績低迷をグループ入りで改善することが目的でしたが、 「すかいらーく」側にも持ち帰り寿司店舗の業績改善のノウハウはな無く、 結局、 傘下入から5年間、2011年までずっと「赤字」状態が続き、結局「離脱」。 それを拾ったのが、投資ファンドのイコールパートナーズ。 一時期は有名だったインボイス創業者の木村育生氏の個人投資ファンドです。 (「インボイス西武ドーム」なんて時代がありました・・・懐かしい) この投資ファンド筆頭株主となった時点で、 その後の動きはある程度見えていたはずです。 「持ち帰り寿司」という業態は、「既に下火」な業態ですから、 「経営を効率化」 する方向しかないわけです。 ただ、木村育生氏も結構アグレッシブな方なので、 昨年は、こんな買収も行っています。 小僧寿し/茶月の関東店舗を譲受<流通ニュース そして、その1ヶ月後に5カ年の中期経営計画を発表。 小僧寿し/2016年度売上高295億円に<流通ニュース 鼻息の荒い発表のように見えますが、末尾にはしっかり、 >FC比率を現在の40%から5年間で60%に高めることによる、経常利益率10%以上を目指す。 と書かれていることから、 昨年の時点で、今回の「リストラ」は折込済、でしょう。 買収した「茶月」の運営もうまく回らないので、 時期が早まり、規模が拡大した ということだと思います。 ちなみに、東日本の店舗を「小僧寿し」に譲渡して、「西日本」の店舗だけで運営していた「茶月」は、先日破産申立。 宅配すし店「茶月」の春陽堂など債権者が破産申し立て もう、グチャグチャな感じですね。 さて、まとまりが無くなってますが、 今回のこの「小僧ずし」の「大リストラ」が上手くいくか否か? 「FC本部」として立ち直るか? という点について。 これは、もう、ベタな言い方になりますが、 リストラされて社員からFC店オーナーになる方が、 どれだけ小僧寿しの寿司を愛しているか? にかかっています。 小僧寿し」が絶対に美味しいんだ! コンビニやスーパーで売ってるのとはモノが違うんだ! と、どれだけのスタッフたちが心から思っているのか? ですね。 具体的に言えば、 自分の周りで、ちょっとした食事の集まりなどあれば、 必ず「小僧寿し」を食っているか? ということです。 「法事にはちょっとウチのじゃ貧弱で・・・」 なんて身内の法事ごとにも躊躇しているようなら、まずダメです。 以下、宅配寿し「銀のさら」を営む経営者のfacebookから引用させていただきます。 先日の関東の大雪で午前中で配達ができなくなり閉店した日の投稿です。 ▽▽▽ …みんな一通り雪と戯れたあと、予約分でお届け出来なかったお寿司を食べて良いよと言ったら大騒ぎ大興奮の坩堝!!そりゃそうです、普段は作り間違えは勿論、キャンセルの場合も原則廃棄してるのでこんなことは異例中の異例。嬉しいだろ〜( ☆∀☆) というか。 自分のお店の出すものが大好きって、スッゴい大切だと思うんです。 従業員やOBが、自宅のお祝いごとがあると好んでうちのお寿司を頼む。 これがなくなるようだったら、店開けてちゃ、だめです。 だから当たり前なんですけど、 やっぱり嬉しいね。 稼ぎどころの祝日1日棒に振って、本音はかな〜り痛いとこなのですが、 みんながうちの店大好きって、確認できたから、よしとしよう(*´∇`*)。 △△△ この位じゃなきゃ駄目なのです。 「小僧寿し」にここまでの風土があるか? ということです。 無いとしたら、 FC化を推進し、小さく効率の良い本部として本部が生き残る なんて、虫のいい話は通用しません。 フランチャイズ・ポジティブ派として、 「フランチャイズの悪用・乱用」 は、はっきりダメ出しさせていただきたいと思います。 本日はこんなところで。 「人気ブログランキングに参加しました。 50位目前まで。ありがとうございます。
起業・独立 ブログランキングへ 1979年、「小僧寿し」は一世を風靡する新業態だったのです。 「回転寿司」なんてない時代です。
寿し革命―小僧寿しの大進軍 (1979年)寿し革命―小僧寿しの大進軍 (1979年)
(1979/08)
山木 益次

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