アベノミクスがフランチャイズにもたらしているチャンス、という話
こんにちは。
飲食業に進出するのはやめたほうがいいのか? ←「お通しはなぜ必要か?」の飲食コンサル子安さんの記事、竹村です。
「所有」「開発」「運営」の分業としてみる、考え方は面白い。最後に出てくる「Exit」の発想から考えると、飲食業もまだまだ可能性があります。
さて、先週金曜の「マイナス金利」の日銀発表から一週間。株価はその日の爆上げしたものの、週明けからは下がり続け、ついに木曜日まで上げた分を全部戻した形。そして昨日もさらに200円以上下げてますね。
アベノミクスは株価が指標視されていますから、またまた「バズーカ空砲論」がアチコチで浮上。「空砲」というのは音だけで球は入ってない、という意味ですから厳しい表現です。
それに対して黒田総裁は「まだまだやる」と姿勢は崩しません。
アベノミクスの「金融緩和策」ですが、球が入ってない、ということはないですね。実際に世の中に「お金はダブついてきている」ということをビジネスの肌感覚から感じます。
確かに庶民の懐まで景気が良くなっている感じはしませんが、ビジネスの領域には確実にカンフル剤が投与されていることを感じます。
竹村のビジネス周りで言えば、フランチャイズで起業する脱サラ組は政府系金融公庫から創業融資がこれほど受けやすい時代はこれまでありませんでしたし、法人の新規事業に対する銀行の融資も積極的です。
例えば「日本初!授業をしない塾 武田塾」の開校には、FC募集開始当時は自己資金300万が必要でしたが、今は150万、塾などに勤めていた経験がある方なら100万で可能です。加盟金は上がっているのに、必要自己資金は半分、です。
「武田塾」が始めやすくなり、成功すれば他校舎展開する追加の融資が受けやすいのです。
「エコランドリー マンマチャオ」もこの頃開業希望者が多く絶好調、ですが、これにも「投資と経営の中間」というポジションのところに、お金が流れやすくなっていることが大きな要因です。投資対象を探している人が増えているのです。
「創業、新規事業、投資」というところには明らかに追い風が吹いています。
国策による追い風、です。
国策による追い風、というとひとつ思い出すことがあります。小渕恵三首相の時に起きた狂牛病騒ぎのことです。「狂牛病(BSE)」は後から考えればほぼ風評に近い騒ぎなわけですが、子牛が痙攣してヘナヘナと倒れる映像がテレビで流れ、そこに担当した獣医師の自殺などが重なり、一気にエスカレート。焼肉屋の売上は一時期半分以下になりました。
当時竹村はベンチャー・リンクで「牛角」のフランチャイズ展開に関わっていましたのでよく覚えています。
この「狂牛病」が焼肉業界に大打撃を与えたことを見て、首相の小渕さんは焼肉店経営者に対して「無担保無利息の3000万の特別融資」を即決します。焼肉屋を経営していればどんな店でも誰でも3000万借りられたのです。
結局、狂牛病騒ぎは長引くことなく終焉し(少なくとも牛角の店舗は早めに売上が戻りました)、ここで借りられた3000万で、新しい飲食FCを始める方がたくさん出たのです。焼肉屋だけでは狂牛病のような事件が起こると弱い、焼肉とは別の業態に取り組みんでおいたほうが経営的に安定する、という考え方ですね。
事業は業態が違う何本かの柱で支えるべき、という「ポートフォリオ理論」です。ここから「マルチフランチャイジー」として成功していった牛角オーナーが何名かいるのです。
さて、話を戻します。
とにかく今は、
国がフランチャイズというものにお金を入れてくれている
ということを様々な方面から感じます。
これは大きなチャンスです。
フランチャイズビジネスで起業しようとする人にとっても、自らのビジネスをフランチャイズ化しようという起業にとっても。
25年フランチャイズの業界で仕事をしてきて、こういう環境は今まで見たことがありません。
このチャンスを活かして新しい活路をひらく人、会社が増えることを祈りますね。
本日はこんなところで。