【増収増益が最悪!?】ユニクロは「迷走」ではなく常に「勝負」している
こんにちは。竹村です。 日中は30度を超える暑さでも、朝晩は随分涼しくなりました。 「残暑」ももう少しです。 「雷雨」だけ注意ですね。
さて、昨日の日経記事「リーダーを考える」のユニクロ柳井さんの記事が話題になってますね。
見たときは「タイトルだけ読めばわかる」記事かと思いましたが、柳井さんの元を去っていった(柳井さんが切った)玉塚さん(現ローソン副社長)、沢田さん(現リバンプ社長)と現在の経営幹部である大笘さん、堂前さんのコメントが取れていて面白い。
だが、05年8月期の増収減益が柳井の逆鱗(げきりん)に触れた。柳井は自著でこう記す。「革新的なことに挑戦した結果の『減益』ではないので、最悪だ。売上が反転し安定成長志向という病にかかり、増収減益になったときこそ、会社の将来を決する最大の危機だと悟った。
「増収減益」が最悪なのです。 「安定性成長という病」だから、です。
玉塚さんはフリースブームが去った反動の最悪の業績を「V字回復させた」わけですが、業績回復して「安定成長」路線が見えた、ところが柳井さんには理解ができないのでしょう。 記事にあるとおり、「飽くなき急成長の追求」と「絶え間なき変革」が柳井経営の原理原則です。 要は、会社がいくら大きくなっても「ベンチャー精神」で経営する、ということです。
「ベンチャー精神を忘れない」ではなく、「ベンチャー精神」の掛け算でしか経営しない、という徹底です。 1から10を目指し10の次は1000を目指し、それが達成したら1000000を目指す、ということです。 ここまでいくと経営者としても「狂人」の域かもしれません。 常識人には「狂」に見える「挑戦」を繰り返えす。 常に「大勝負」、「大博打」を打つ経営です。
この夏の「ステテコを第二のヒートテックにする」いう戦略も、 このブログで以前、「迷走」と書きましたが、
恐らくは「迷走」しているわけではないんですね。 「大博打」ですから、一般ピープルからは「狂に見える挑戦」なのです。 柳井さんは「第二のヒートテック」どころか、 「ステテコをフリースにする」 くらい考えていたのかも知れません。 あのブームの前に、 「何十色ものカラーのフリースを売り出され冬の半部屋着の定番になる」 なんて予測したら、やはり狂人の妄想の域と笑われたでしょうから。 そんな「大博打」をはって当たるから、圧倒的成長を遂げるわけです。 「大博打」だから、「一勝九負」でいいんですね。
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もう一度、この「勝負師の自伝」のタイトルを噛み締めたいと思います。 他の9つで10づつ負けても、1つ当たれば「1000倍」で返ってくる。 競馬の予想で言えば「完全無欠の穴狙い」です。 でも、これこそ、「ベンチャー」なんですね。 ベンチャー(venture)の語源は、アドベンチャー(adventure)です。 「結果の予測が難しい冒険的行為」であり、「生命や財産・社会的地位などを失う危険を冒して行う」行為、です。
そこには当たり前ですが「リスク」が伴います。 そのリスクを軽減するひとつの方法が、 「Many risk is No risk」という、 「一勝九負で良い」という考え方、マネジメントなんですね。 ・・・
ただ、「フランチャイズ起業」においてはいきなり10のFCに加盟することはできません。 では、 というテーマについて、次回書きたいと思います。
今回はこんなところで。