竹村義宏のフランチャイズBlog

フランチャイズ業界30年これまで50を超えるFCに携わった竹村のブログ。2015年5月FC2から引っ越し。

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創業融資は10年ぶりの高水準!しかし起業者数はピーク時の半分?

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こんにちは。 AmazonがTwitterと提携!?「つぶやきながら買い物」と言われても良くわかりませんね、竹村です。 自分が買ったものを「つぶやく」という事でしょうか? さてまずは、昨日の日経本紙朝刊の記事から。 創業融資、10年ぶり高水準 日本公庫 政策金融公庫の融資が積極的(=とおり易くなっている)というのは、フランチャイズの起業相談にのっていても確実に感じています。昨年の夏くらいからかなり「追い風」が吹いている感じで、これはアベノミクスの政策成果として大いに評価したいと思います。「12年度に比べて36%増え、10年ぶりの高水準」ですから、かなりの「拡大」です。 今、起業する方はこの「追い風」を利用しない手はありません。 ただ、とくに個別学習塾等の「初期投資が小さい事業」の場合は、 「自己資金で間に合うので融資は必要ない」 と仰る方は結構いらっしゃいます。 奥様に相談したら「借金は絶対ダメ」と言われので、という方もいます。 ただ、事業を行う上での一般的な考え方というか、常識として 低利の借り入れは悪ではなく善であり、借りられるなら枠いっぱい借りておくべき です。 と言うと、 「そうですよね、万が一の「保険」として少し借りといた方が良いですかね」 と答えられる方もいますが、その感覚も少し違うんですね。 基本的な考え方としては、 借りた利息より高い利益率で回していくのが「商売」 なのです。 「2%で借りて15%の利益率で回せば、13%儲けられる」というのが事業であり、この考え方がシックリこない、理解できない、理解はできるがやっぱり借りるのは嫌、という方は、「バランスシート」とは関係ないレベルの商い、つまり「家業・生業」しかできません。 「家業・生業」というのは「儲ける」ではなく「食っていく」という視点で考えるべきで、ここを一緒くたに考えると失敗します。 さて、話を戻して、低金利の公的融資、 ・政策金融公庫の融資 ・保証協会のヒモ付き融資 この2つは「積極的に」活用すべきです。「追い風」のチャンスを逃す手はありません。 上の日経の記事に戻れば、

13年度の融資件数は女性向けが前年度比24%、55歳以上向けが38%増え、全体の伸びをけん引した。

これは大変に素晴らしいことです。 とくに「女性の起業」については、もっともっと増えるべきです。 昨日のこのブログでは、「女性の仕事と子育ての両立についての記事」をUPしましたが、この「両立」については、「企業と男性の意識変革をする」というような言いふらされた対応策ではなく、 起業する女性が増える ことが一番であると考えています。 自分自身が「オーナー」なら、「いかに両立させるか?」という問題はほぼ解消するはずです。 なので、この公的融資が積極姿勢であるこのチャンスに、是非とも起業する女性が増えてくることを期待します。 ということで、明るく終わりたいところですが、この「起業のチャンス」の時期にも関わらず、少々残念なデータを示す記事もありますね。 起業希望者、15年間で84万人に半減 経営者高齢化も指摘>gooニュース 「2014年版中小企業白書」からの記事ですが、

12年の起業希望者は約84万人と、1997年の約167万人から半減した。(中略)開業率が低い理由を、起業に関心のある人に聞いた調査では「起業した場合に生活が不安定になることに不安を感じる」が最多の36.9%。(以下略)

ということです。 1997年は、消費税が3%から5%に引き上げになった年ですね。山一証券拓銀が破綻した年です。倒産した山一の社長の「社員は悪くない」という発言は、サラリーマンに「企業(の安定)」に対する信頼を失わせるものでした。優秀な人材が大企業に集まってしっかり働いていたのに簡単に「倒産」するんですから。 そんなことで「企業に見切りをつけた起業」も多かったのだとは思いますが、それでもそこから「半減」は考えてしまう数字。 「起業した場合に生活が不安定になることに不安を感じる」というのは、まさに先ほど書いた、「事業・ビジネスをやる」のと「食っていく」のとの境が曖昧なため、出てくる理由です。 なかなか、難しいですね。 「食っていく」ために「安定」をのぞめば、自分の労働を時間で切り売りする「時給で働くバイト」に行き着きます。 その感覚で「リスクのない安定したフランチャイズ」を探しても、失敗確率は高いでしょう。 そこを「何とか」したいですね。 本日はこんなところで。